栄養素に関して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 01:41 UTC 版)
市販されている野菜ジュースを嗜好品として飲む人もいるが、栄養価値の高さから野菜不足の解消や健康のために飲むという人もいる。健康志向の客層を狙い、企業もどれだけの栄養素が詰まっているかを前面に出している場合がある。 トマトやニンジンなどの緑黄色野菜を素材としたものは、ビタミンC、ビタミンA、食物繊維の補給を謳っている。リンゴやブドウ、オレンジなどの果物と混ぜ合わせたものは、主にビタミンCの摂取を目的としているようである。 しかし、野菜と同じ栄養価ではない。製造工程において、飲みやすくするために食物繊維を取り除いたり、加熱殺菌などでビタミンCなどの栄養素、消化酵素が失われてしまうため、実際に使用した野菜の量に比べると栄養素が少ない。加熱後に栄養素が添加されている製品もあるが、必須ビタミンなどの数種類のみである。 2000年11月6日に国民生活センターが発表した資料によると、野菜系飲料1パッケージあたりの栄養成分量と緑黄色野菜120g(厚生省の設定した緑黄色野菜の摂取目標量)当りの栄養成分量とを比較したところ、ビタミンAについてはほぼ同等かそれを超える成分量の銘柄が10銘柄中7銘柄あったものの、それ以外の成分については低いものが多く、ビタミンCでは30%未満の銘柄が半数を超え、食物繊維に関しては8銘柄が半分未満であった。このため、発表資料の中で消費者へのアドバイスとして、野菜系飲料の栄養バランスは緑黄色野菜とは異なるので、食生活の補助的なものとして利用することを薦めている。 2007年10月12日に名古屋市消費生活センターが実施した成分分析で、「一日分の野菜(緑黄色野菜)使用」と表示した野菜ジュースには厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量350グラムを下回る量の栄養素しか含んでいないことが分かった。これは、野菜350グラムを「原料」としているだけであって「栄養素」は含むとは一言も言っていない、消費者の誤解を誘う表示である。消費者団体の主婦連合会は公正取引委員会と厚生労働省に実態調査をするよう申し入れている。
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