東郷の名を冠した事物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 17:28 UTC 版)
「東郷ビール」 名越二荒之助により、東郷がラベルとなったフィンランド産のビールが昭和46年(1971年)から平成4年(1992年)まで販売された。これはフィンランドのタンペレのピューニッキ醸造所において生産された「提督ビールシリーズ」のラベルの一つで、当初は東郷やネルソン等の世界的に有名な提督6名(6種類)のラベルでスタートした。その中にはロシア海軍バルチック艦隊の提督であったマカロフとロジェストヴェンスキーのものもあったという。その後に数が増えて24名の提督シリーズで販売されるに至った。日本人では東郷と山本五十六の2名がラベルになった。日本でその存在が知られるようになったのは、昭和58年(1983年)にフィンランドを視察した佐藤文生が持ち帰って、東郷神社に献納したのがきっかけであるともいう。現在日本で販売されている「東郷ビール」は、ピューニッキ醸造所が被買収により提督ビールシリーズの生産を停止した後に、オランダで製造されているビールに「提督ビールシリーズ」で使われた東郷ラベルを貼付しているものである。 フィンランドの元首相カレヴィ・ソルサ(英語版)はシンポジウム『新時代のきずな 日本とEU』において、このビールを「トーゴービール」と呼び、日露戦争においてフィンランドを統治していたロシアが敗れたことで、フィンランドでは独立の機運が高まったこともあり、フィンランド国民はこの東郷ラベルのビールを飲んで往時をしのぶ、と語ったことが『朝日新聞』平成9年(1997年)10月6日付で伝えられた。東郷ラベルには「東郷平八郎提督に敬意を表して」とわざわざ日本語で書かれているものもあったという。 ブラジルのタバコ 東郷が没した昭和9年(1934年)、ブラジルのカステロエス社が、「東郷へのオマージュ」として『Cigarros Guensui』という銘柄のタバコを販売した。宣伝には日本語で、「聖将東郷元帥永久の思ひ出にシガーロス『元帥』を日本の皆様に捧ぐ」と書かれていた。 トウゴウカワゲラ 水生昆虫 カワゲラには、トウゴウカワゲラ属(Togoperla )がある。これは、チェコ人昆虫学者のFrant Klapálekが、東郷に因んで名づけたものである。 東郷鋼 東郷の生前、東郷本人の許可を得てその名を冠した「東郷鋼(はがね)」という鉄鋼製品があった。ここから、東郷に反発する海軍内の佐官や将官は「東郷バカネ」という地口を作り、流布したという。ただ実際は海外鋼輸入問屋河合鋼鉄のライバル流通が考え出した洒落という説もある。日本の産業界が当時、国産第一を標榜していた背景で考察する事も可能である。
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