本庄浜事件とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 本庄浜事件の意味・解説 

本庄浜事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/26 15:39 UTC 版)

本庄浜事件(ほんじょうはまじけん)とは、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)によるスパイ事件[1][2][3][4]1964年昭和39年)7月24日検挙[1][2][3]

概要

この事件は、戦後日本から北朝鮮に引き揚げた大山富国こと姜礼黙(40歳)が京都府与謝郡伊根町本庄浜から密入国し、乱数表等を山中に埋設し、「韓国から密航してきた」と偽装自首した事件である[1][2][注釈 1]

姜は1940年から1947年までの在日歴を有し、北朝鮮で中学校の校長をしていたが、1964年3月、北朝鮮工作員として召喚され、4カ月にわたってスパイ教育を受けた[1][3]。指示された任務は、日本の軍事関連情報の収集と韓国国内で情報活動のできる在日韓国人の獲得およびその送り込み工作であった[1][注釈 2]。姜が本庄浜に密入国したのは1964年7月21日のことで、携行した乱数表、無線機、工作資金等を上陸地点付近の山中に埋め、付近で3日間野宿した後、7月24日警視庁に出頭して偽装自首した[1][2]。その目的は、合法的な在留資格を得るためであった[1]

警視庁は、真夏であるにもかかわらず姜が背広姿であり、韓国からの密航者としては不自然な点があると判断し、逮捕して取り調べたところ、北朝鮮工作員であることが発覚した[1]。上陸地点付近の山林からはスパイ道具も見つかった[1]

姜礼黙は1964年9月28日東京地方裁判所において、出入国管理令違反で懲役6カ月の判決を受けた[1]。姜は、1965年に韓国に向け出国している[2]

脚注

注釈

  1. ^ 本庄浜は日本海に面しており、海水浴場があることで知られている。
  2. ^ この年(1964年)相次いで検挙された本庄浜事件、一宮事件(7月29日検挙)、寝屋川事件(10月31日検挙)はいずれも、日本の政治・経済・外交・軍事等に関する情報収集、とりわけ、自衛隊に関する情報収集等を目的としたスパイ事件であった[4]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 『戦後のスパイ事件』(1990)pp.64 -65
  2. ^ a b c d e 高世(2002)p.303
  3. ^ a b c 清水(2004)p.219
  4. ^ a b 警察庁 (2004年7月1日). “第2章警備情勢の推移 北朝鮮によるテロ等”. 警備警察50年『焦点』第269号. 警察庁. 2022年3月8日閲覧。

参考文献

関連文献

  • 外事事件研究会『戦後の外事事件―スパイ・拉致・不正輸出』東京法令出版、2007年10月。 ISBN 978-4809011474 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  本庄浜事件のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「本庄浜事件」の関連用語

1
一宮事件 百科事典
12% |||||

2
寝屋川事件 百科事典
10% |||||

3
新光丸事件 百科事典
10% |||||

4
国府台事件 百科事典
10% |||||

5
10% |||||

6
第一次能代事件 百科事典
10% |||||

7
第二次能代事件 百科事典
10% |||||

8
鯵ヶ沢事件 百科事典
10% |||||

9
三和事件 百科事典
8% |||||

10
不審船発砲事件 百科事典
8% |||||

本庄浜事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



本庄浜事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの本庄浜事件 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS