最愛の母の死と不遇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 09:27 UTC 版)
「ジョン・バテリル」の記事における「最愛の母の死と不遇」の解説
メディアで衆知されるとともに、世界中からありとあらゆるひやかし、ハッキング、オファーが押し寄せた。その多くは John のメディアによる知名度を利用して自分を売り込もうとするような二流、三流の輩であり、本気で障害者や寝たきりの人のためになにかやろうという人は数少なく、いたとしても自分の利益にならないことが分かるとすぐ消え去った。これについて John は後に、「自分はカナダの自然の中で育ち、人を疑うようなことはほとんどしなかった」ため、余りにも世間知らずだったことを認め、同時に「世の中には信じられないほど倫理観の低い人間がいる」ことを学んだ、と言った。(これが現在、John がどんなに忙しくても、新しい参加者希望者一人一人すべてに面接をして本人を知る、というスタンスの理由となっている。)時に最愛の母が認知症となり、夜なかにたびたび起こされるほど介護も厳しかった状況にあり、John は TED から出演依頼がきたにもかかわらず、リハーサルを無くす、などの条件をつけ、それが受け入れられなかったので断った。また、人々の注目が潮目を迎えると、Virtual Photo Walks への支援を約束した人間や会社が踵を返すように去っていった。母親が亡くなったころ、約束した支援が反故にされたため、カナダの冬を二回もヒーターなしで暖炉に薪をくべて過ごす羽目になり、さらに 2016年8月には、長年住んだ思い出の家を手放さなければならなかった。しかし、キャンピングカーに住み移りながらも Virtual Photo Walks の放映はやめなかった。(この時の様子を詳しく書いた陽気妃の作品「バーチャル・フォト・ウォーク ジャパン -闘病者を孤独から救う活動の展開」は、第5回潮アジア太平洋ノンフィクション賞の最終選考作(出典:月刊誌「潮」2018年2月号 P108)に選ばれた。この選評のなかで、ノンフィクション作家の後藤正治氏は感想をこのように述べている:「バーチャル・フォト・ウォーク ジャパンはスマホ時代の新しい試みの一つを描いている。寝たきりの人に個の私的な画像を届け、交流をはかる。いま、そのような伝達も可能な時代を迎えている。新鮮なレポートとして読んだ。」(出典:月刊誌「潮」2018年2月号 P110))
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