暴風号と先軍号の後継戦車
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「M-2002」の記事における「暴風号と先軍号の後継戦車」の解説
2009年3月17日、新華社通信とそれを伝聞する形で中央日報が、「北朝鮮が韓国のK2に対抗するために、ロシアのT-95に匹敵する新型戦車を研究・開発中」と報じた。ただ本家であるT-95自体が2010年に開発が中止されたので、北朝鮮の新型戦車開発も先行きがどうなるか不明である。 2020年10月10日未明、朝鮮労働党創立75周年祝賀パレードにて新型戦車(仮称「M-2020」)が披露された。パレードに参加した9輌+待機中の予備1輌の、計10輌が確認されている。翌2021年1月15日に行われた朝鮮労働党第8回大会記念閲兵式においても、同新型戦車9輌(パレードに参加した8輌+待機中の予備1輌)が確認されている。この新型戦車は試作車(プロトタイプ)である可能性がある。 砲塔の外見はアメリカのM1エイブラムスや韓国のK1に似せている。車体はT-14アルマータに似せているが、全体的には、先軍-915をベースにしたのか、先軍-915と酷似している。転輪は片側7個、履帯は従来のシングルピン方式からダブルピン方式に変更されている。車体下面からトーションバーサスペンション方式と推測される。 乗員は全4名。車体前方中央に操縦手が1名。砲塔上面の照準装置の配置から、砲塔乗員は砲塔右側後方に車長、砲塔右側前方に砲手(砲手席については、砲塔左側前方にペリスコープ(もしくはナイトビジョンとも)があることから、従来通り砲塔左側前方のままとする推測もある)、砲塔左側後方に装填手の3名。自動装填装置は無し。2A46 125㎜滑腔砲を装備している可能性あり。サーマルスリーブは無し。砲口にはMRS(砲口照合装置)らしき物が付いている。主砲の根元の上部にレーザーレンジファインダーを装備している。従来の赤外線投光器が無くなっているので、パッシブ式赤外線暗視装置が導入されていると推測される。車長席の前にCITV(車長用独立熱線映像装置)らしき物がある。さらにその前に砲手用サイトらしき物がある。 装填手の前方の砲塔上面には単装の自動擲弾銃(RWSとも)が装備されている。砲塔左正面には開口部がある。この穴は副武装の同軸機関銃の可能性がある。ただし、従来通り、砲手が砲塔左側前方配置の場合は、この穴は砲手用の直接照準孔であり、砲右側の同軸機関銃は装備していないことになる。砲塔右側面には連装対戦車ミサイル発射機が装備されている。そのため、主砲自体には砲発射ミサイルの発射能力は無い、あるいは、制限されている、ものと推測される。 砲塔正面左右と砲塔横左右に、ロシア製アクティブ防護システム(APS)「アフガニート」を模したと思われる、3本ずつが4基、計12本の、擲弾発射機がある。砲塔横後部左右に4本づつが2基、計8本の発煙弾発射機がある。砲塔側面の周囲には、長方形の、APS用のAESAレーダーらしき物が配置されている。 砲塔後部と車体両側面後方にスラットアーマーがある。 これらから、従来通りT-62系列だと推測される。
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