時間割の運用形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/22 09:52 UTC 版)
曜日固定方式は一般に広く知られている時間割の方式である。1週間をいくつかの授業時間(単位時間)に分け、それぞれの時間に対して1つの教科等を割り振る。例えば「火曜日の1時間目は体育、2時間目は音楽、…」という具合である。曜日ごとに時間割が定められているため、一度決まってしまえばパターン化されるため、臨時に時間割が変更されることがない限り、混乱が生じることはないとされる。祝日法改正によって生じたハッピーマンデー制度により、月・金など特定の曜日の授業実施が滞り、授業時間が不足するという問題がある。これに対しては別の曜日の日に振り替える(例:月曜日が祝日の場合、火曜に月曜の時間割を代入して実施)、期末に臨時の時間割を作成して補完するなどの対策が講じられる。 巻紙方式(テープスライド方式、スライドテープ方式)は、授業科目と番号を対応させる様式の時間割表を用いて管理する時間割の方式である。実際に生徒に配布される時間割表が一本の巻紙(テープ)上に科目を配置したような様式であり、順番にスライドさせるように開講されるためこのように呼ばれる。時間割表はおよそ30前後の授業番号枠で構成されたクラス別の固定リストと定期的に配布される全校共通の曜日別時間割の2種類を組み合わせて用いられる。前者は「1年1組の1番は音楽、2番は体育……32番は美術」のように番号と教科を対応させる形になっており、後者は通常の時間割に似ているが科目の代わりに「4月10日の1限は1番、4月10日の2限は2番……4月14日の6限は30番」のように番号が記載されている点が異なる。概ね番号順に配置されるが、一部の教師のスケジュールの都合で入れ替えられることがある。曜日別時間割は全校共通であるため、こちらを入れ替えるとすべての学級に影響が及ぶが、組み合わせを考慮する必要がないというメリットがある。 特定曜日が休みになることによる授業進度の偏りが生じない、上記のように時間割入れ替えが簡便であるなどの利点はあるが、例えば曜日固定方式の場合「木6」と「金1」などの設定が可能なのに対し、同じ教科が近い番号に割当てられると同日に同じ科目が二度開講されるという事態が発生するなどといった特有の問題がある。これを防ぐため、同じ教科は6ないし7以上の距離をおくという処置が必要など、曜日固定方式とは違った配慮が求められる。予定表の変更では隣接するテープ番号の順番を入れ替える程度であれば悪影響はほぼないが(隣接する番号は異なった科目であることが求められるため)、ある学級で家庭科の実習を2限連続して実施するために予定表の番号を入れ替えると、他の学級でも連続開講される事態が発生する可能性があるなど柔軟性に欠ける面もある。また、毎日組み合わせが異なるためこまめに時間割を確認してから生活しなくてはならないなど不便など問題も少なくない。このように癖の強い方式であるがゆえに、これを採用している学校は、仙台の一部の中学など極めてまれである。
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