昭和研究会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:01 UTC 版)
「昭和研究会#展開」および「昭和研究会#文化部門」も参照 昭和研究会の酒井三郎に請われて三木は、昭和研究会世界政策研究会で「支那事変の世界史的意義」と題した講演を行った。講演の主題は「今度の事変がどういう世界史的意義を持つか」という課題に対して、「東亜の統一」と「資本主義の是正」という意義があると述べている。 「東亜の統一」とは第一次世界大戦によりヨーロッパ中心の世界から東洋というものがクローズアップされ、世界を考える際に西洋だけでは無く、文化も歴史も違う東洋もあわせて考えなければならなくなった。このことにより誕生した新しい概念である。日本は支那事変により初めて大陸に日本文化を持ち込み、新しい東洋文化を形成するきっかけを持つに至った。「東亜の統一」の文化史的観点からは、日本が中心となるべきか中国が中心となるべきなのかという議論はあるが、昭和研究会としては日本が中心となって「東亜の統一」を行わなければならないと結論づけられた。 「資本主義の是正」とはリベラリズムが行き詰まる中、コミュニズムが台頭してきたが、ドイツにおける共産主義の失敗を転機に、コミュニズムは世界を支配的するものにはならなかった。コミュニズムが支配的になり得なかった中、ファシズムが台頭してきた。そして時代はリベラリズム、ファシズム、コミュニズム三者の対立抗争の中にある。こういった中、日本の使命はリベラリズム、ファシズムを止揚しコミュニズムに対抗する根本理念を持ち、今我々に与えられている命題である資本主義の是正を行う事であると結論づけた。
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