旧訳と新訳とは? わかりやすく解説

旧訳と新訳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 09:59 UTC 版)

訳経史区分」の記事における「旧訳と新訳」の解説

唐の玄奘以後訳経新訳しんやく)と呼びそれ以前訳経旧訳(くやく)と呼ぶ。これは、玄奘自身新訳旧訳区別強調し、「旧訳は訛謬(かびゅう)なり」と断じたからである。訳例を以下に示す。 訳例サンスクリット旧訳新訳samaadhi 三昧さんまい三摩地さんまじyojana 由旬ゆじゅん) 踰闍那(ゆじゃな) sattva 衆生しゅじょう有情うじょう確かに玄奘新訳語の方がサンスクリット語発音原意忠実あるよう見える。しかし、旧訳誤りであるとか不完全であるとして排斥するのは早計である。初期漢訳経典多くプラークリット俗語)や西域諸語から訳出されたものであり、サンスクリットからの直接漢訳ではなかったからである。しかも漢字の音も南北朝までの古い音は、唐代とは大きく異なっていた。 旧訳代表するのは、後秦鳩摩羅什くまら じゅう)と陳の真諦しんだい)である。とくに、鳩摩羅什訳語文体それ以前の訳とはっきり区別できるすぐれた特色をもっている。『維摩経』、『妙法蓮華経』、『金剛般若経』などには、いくつかの訳があるが、鳩摩羅什がもっと名訳とされることが一般的であり、訳文漢文としても名文誉れが高い。また、真諦訳の『倶舎論』(大正新脩大蔵経No.1559)は玄奘訳(大正No.1558)よりも原典忠実である。

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