日本語訳独自の脚色
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 13:35 UTC 版)
「ハリー・ポッターシリーズ」の記事における「日本語訳独自の脚色」の解説
本シリーズは、1990年代のイギリスを舞台にした、(執筆時点から見て)ごく最近の物語である。 原書においては、一部の登場人物に訛りや特徴的な口癖が与えられ、個性を表現しているが、日本語では英語以上に一人称や言葉遣いの表現が多様である(役割語等も参照)。 したがって、1990年代という時代設定から逸脱した一人称・言葉遣いを用いたことによって、原作と日本語版ではまるで印象が違っている登場人物も少なくない。明治大学教授で翻訳家の高山宏は、「魔術という古い世界と現代のティーンエイジャーの世界の交錯がこの作品の醍醐味なのですが、日本語訳では会話文と普通の文章がごっちゃになって読みにくい」と評している。このほか、「手水場」「下手人」「旅籠」など時代がかった言葉が多いことも、「センスが悪い」と批判されている。口語としてあまりに不自然な場合、映画版の吹替え・字幕では修正されている。 また、本文には、特殊フォント・太字・囲み文字・網かけ文字やイラスト風の囲みが多用されているが、いずれも底本のブルームスベリー社版にはない、日本語訳独自の演出である。これは、原作者の意向で本文中に挿絵が使えない制約を回避するため、読者がイメージを膨らませられるようにという松岡の解釈で付与された。
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