日本語版の機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 05:03 UTC 版)
「QuarkXPress」の記事における「日本語版の機能」の解説
日本語版(バージョン番号の末尾に「J」が付随する)は、早期のバージョンから、軽快な動作と直感的な操作性、先割りレイアウト対応、などの点で高く評価されていた。一方で、日本語独特の組版ルールには標準搭載の機能では対応できない、などの点で著しい問題があった。例えばぶら下げやルビがボックスよりはみ出ない、中黒を約物として処理しない、字間の調整がきちんと制御できないなど、特に縦書きには不向きで、当時の雑誌などでは縦書きのものは避けられる傾向にまでなっていた。しかしそういった古くからの問題は「過去のバージョンとの互換性」を理由に、改善されることはなかった。 表組機能を実装していなかった当時、表組が頻出するレイアウトでは別途XTensionの購入が必須で、日本語版はアプリケーション自体がかなり高価でもあったため、TCOはかなり高かった。 日本語版6.0Jから、Mac OS Xに対応した。表組機能が追加され、のちに価格も大幅に下げられた。縦組用ベースライングリッドを搭載し、多少縦書きが楽になるものの、またも日本語組版の問題が改善されることはなかった。新たにOpenTypeに対応したが、完全対応とはいかず、ダイナミックダウンロードと字体切り替えに非対応、ただ表示できるだけ、プリントもできないという状況だった。ただダイナミックダウンロードに関しては、後の無償バージョンアップで対応するとアナウンスされていた。 OpenTypeに対応した6.0Jが出てからダイナミックダウンロードに対応した6.5Jが出る前には、QuarkXPressのために、フォントメーカー側が出力機用OpenTypeフォントを開発するなど、本末転倒な事態になり、大いに混乱を呼んだ 。 日本語版8.0Jより、ようやく日本語版の大幅に改善された。デザイングリッド、文字組セットなどにより、日本語組版がかなり楽になったが、日本語組版を含む全体的なテキスト整形能力に関しては、まだまだInDesignの機能には追いついていない。
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