日本国外の鉄道
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 12:10 UTC 版)
ヨーロッパの鉄道では、長距離で運行される優等列車でも、ドイツの高速列車ICEを含めて、原則として一等車・二等車ともに全車全席自由席である場合が多いが、乗客が乗車前に座席を予約できる。予約が入った場合、本来自由席である座席のうちいずれかを、予約の入った人数分だけ利用区間で指定席として、当該区間では予約した乗客のみが着席できる。ただしその座席も、当該区間外では予約のない乗客が自由に着席できる。この場合、特定の車両または座席が常に座席指定となっているわけではない。 ヨーロッパ大陸諸国では、客室内がコンパーメントに分かれている車両ではコンパーメントの入口の、オープンサロンの座席の車両では窓の近くや荷棚の縁の、座席番号の表記された部分またはその脇に札差しが設けられ、予約済みの旨とその区間が印字で記載された紙等の予約票が差し込まれて表示されるのが一般的となっており、イギリスでは座席の背ずりの上部に予約票が差し込まれるのが一般的となっていた(冒頭写真)。しかし近年では、荷棚の縁や窓近くの液晶表示機または電光表示機で、座席の予約やその区間が表示される車両が増加している。 ICE以外の高速列車、茶菓や食事の車内サービスのある列車、ほかに観光利用中心の列車では、一等・二等とも全車全席指定制の列車が多く、ユーロスターやフランスのTGV、スウェーデンのX2000などが挙げられる。TGVでは満席の場合、JRの立席特急券同様の、列車指定で発行数が限られた、空席が生じた場合にのみ着席できる立席承知の利用(ユーレイルパスなど利用の場合、乗車整理券との併用)を認めることがある。 また、ヨーロッパにおいても、寝台車は、先述の通り、一般の座席より快適に睡眠を取りつつ移動する設備のため、洗面台つきの個室による一般の寝台車のみならず、各簡易個室(複数の寝台を有する)内に洗面台がなく各寝台ごとのカーテンもない簡易寝台(クシェット)もすべて指定制である。 アジア諸国の優等列車では多くが座席指定制を行なっている。韓国では韓国鉄道公社で、KTX、セマウル号の列車で、平日に限り一部自由席が設定されているがほとんど指定席である。中華民国では台湾鉄路管理局の列車のうち、通勤列車に相当する区間車、区間快車以外は全車全席指定だが、満席の場合はTGV同様に立席承知での乗車も認めている(ただし、太魯閣号・普悠瑪号・一部の莒光号を除く)。台湾高速鉄道は開業当初は全席指定席であったが、現在では自由席の設定を4両まで増やしている。
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