日本国外のナタネに関する話題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 10:13 UTC 版)
「セイヨウアブラナ」の記事における「日本国外のナタネに関する話題」の解説
日本は菜種油原料として、カナダから消費量216万トンの99%以上を輸入している(自給率0.04%)。カナダでは、遺伝子組換え品種が優占しており、日本の消費者の関心が高い。 アブラナ科の植物は、交雑しやすい性質をもち、同種はもちろん他種の花粉でも受粉し、結実する傾向があるが、交雑植物体は不稔であり、組み換え遺伝子が永続する心配はない。したがって、製油のため輸入された除草剤耐性セイヨウアブラナが野生化し、その花粉による他のアブラナ科野菜類への影響が指摘されているが、市民団体による調査でも得られた組み換え植物は落ち種からの発芽であり、組み換え遺伝子が永続している例はない。。 カナダなどで、非GM作物を生産する農場にGM作物が侵入し、訴訟になっており(正確にはGM特許をもつ企業が、農家を無断栽培として訴えた)、品種の維持管理ができない農家側の敗訴の例が多い。 欧州連合(EU)の欧州食品安全機関(EFSA)は、GM(遺伝子組み換え)ナタネのこぼれ落ちを科学的にレビューした結果、固有の環境リスクは認められないとする論文を発表した。 カナダ等の農場内の野良生えGMナタネは、輪作体系においてイネ科植物の栽培に用いられる除草剤MCPソーダ塩により根絶される。また、組換えナタネ由来の植物油に対する人体への健康被害等は全く報告されていない。カナダでは、組換えキャノーラ油は健康油として利用されている。 チェルノブイリ原子力発電所事故のホットスポットであるウクライナジトームィル州のナロジチ地区(英語版)では、日本のNPO法人により、ナタネを栽培して、放射性セシウム(Cs137)及びストロンチウム(Sr90)を除去する試みが続けられている。
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