日本国内のメディアの評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 09:01 UTC 版)
「白川方明」の記事における「日本国内のメディアの評価」の解説
毎日新聞は、「主流の経済学者は日銀犯人説(貨幣数量説)をとらない」「白川は正統派経済学の教義に忠実な理論派」「リーマン・ショックや欧州通貨危機から日本を隔離したのは大きな手柄」「政府・日銀の2%合意は日銀の独立性を首の皮一枚残したアートの極み」「政治に注文をつけ続けたから、政治家の不興をかった」と論じている。 日本経済新聞は、リーマン・ショックや東日本大震災、欧州債務危機などに直面しながら、金融システムの安定を守り抜いたと評価し「日本の金融機関が、欧米勢が撤退したアジア市場に乗り込み、成長戦略の先陣を担う環境を維持したのは白川の功績だ」と指摘している。 白川の「膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えにしたがえば制御不能なインフレになる」「人々は将来の財政状況への不安から支出を抑制し、そのことが低成長と緩やかなデフレの一因になっている」といった意見について、産経新聞特別記者田村秀男は「FRBは2008年9月以降、現在までに3倍以上もドル札を刷ったが、インフレ率は穏当、株価は回復著しく、個人消費や民間設備投資は上向きになっている。歴史上の通貨大量発行による制御不能なインフレは、モノの供給能に乏しい敗戦直後の日本やドイツなどに限られる」「政府債務が増え続けるから消費が減り、デフレが起きるというのは根拠に乏しい俗説である。1997年の橋本龍太郎政権による消費増税・緊縮財政以降、日本は慢性デフレにはまりこんだ。勤労者世帯の2011年のひと月当たり可処分所得は1997年に比べ15%、7万6700円減った。この間の消費者物価下落幅は3.3%で家計消費は3%減にとどまっている。家計の実質消費は下がらず、所得だけが落ち込んだ。消費減がデフレの原因ではない」と主張した。田村は白川はインフレ率ゼロ%以下を追求した金融政策を実施し、金融緩和には消極的で、外部から金融緩和圧力が高まると、小出しに金融緩和を行った。このことは早期に大胆な金融緩和に踏み切り景気の回復に成功したFRBと対照的とし、「15年デフレ」の立役者と指摘している。
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