日本の建築士制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 23:12 UTC 版)
年1回行われる建築士試験に合格し、管轄行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)から免許を受け、設計・工事監理などを行う。建築士資格の種類により、設計・工事監理できる建築物の規模等に違いがある。近年では建築構造と建築設備の各分野においてそれぞれ構造一級建築士、設備一級建築士の制度を発足させている。2020年4月1日時点での累計登録者数は、一級建築士は371,184人(最高齢は140歳以上となるが実際には半数以上が死亡している。また、法定講習受講者数から現役一級建築士は14万人程度であることがわかる。一級建築士事務所は74,732社)、二級建築士は775,032人(同じく半数以上が死亡しており、現役二級建築士は20万人程度。二級建築士事務所は25,095社)、木造建築士は18,364人(制度が新しいため多くは存命であるが、現役木造建築士は1万人程度。木造建築士事務所は215社)となっている。 ごく小規模なものを除き、建築物の設計又は工事監理を行うには建築士の免許が必要である。他の多くの資格と違い、この制限は報酬を得なくとも、業としてでなくとも適用され、たとえ本人の住む家であっても例外ではない。これは建築物が多くの人の生活に密接に関わり、場合によっては命を奪う凶器にもなりうることからなされている制限である。医療行為ですら業としてでなければ医師以外の者が行うことを禁止していないことから、建築士の行う設計又は工事監理は大変重い社会的責任の元にあり、公共的性格の強いものであると言える。 1951年から1967年までは5科目(建築計画・建築法規・建築構造・建築施工・建築設計製図)で試験を実施、1968年からは学科試験(建築計画・建築法規・建築構造・建築施工)を合格した者が、設計製図試験を受験できる2段階方式に移行した。2005年の耐震強度偽装事件の結果、2006年に建築士法が改正(2008年施行)され、定期講習の義務化、受験資格要件の見直しなどが実施された。これにより、従来の学科認定が指定科目制(4年ごとに再確認)となった。実務経験要件も設計・工事監理等に資するものに限定された。また、構造設計一級建築士、設備設計一級建築士が設けられ、建築確認審査が厳格化された。
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