日本の地下鉄における優等列車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 14:06 UTC 版)
「日本の地下鉄」の記事における「日本の地下鉄における優等列車」の解説
基本的に、日本の地下鉄では次の理由などから、各駅停車のみの運転を行っている路線や、東京メトロ半蔵門線など他社線内では優等種別として運転していても地下鉄線内では各駅に止まる場合が多い。 道路の下に沿っているうえ、既存の地下鉄や地下街の間を網の目を縫うように掘られるため、結果多くの区間でアップダウンやカーブが激しくなり、高速運転に不向き。 地下鉄は建設費が莫大でさらに近隣の地下の使用状況を考えると、優等列車の待避設備などを設けるだけの予算や場所の捻出が困難。 地下鉄は普通、都市の都心部に建設されるためどの駅も利用者が多く、こまめに停車した方が多くの収益が見込める。また、多くの駅で乗り換え路線が何線かあり旅客の流動性が激しいことから、優等種別の停車駅設定が困難かつ優等種別の存在意義が薄い。 日本で始めて優等列車を導入したのは東京メトロ東西線の快速列車である。ただし地下区間での通過運転は南砂町駅だけであり、緩急運転を行う大半の区間は地上区間である。 日本の地下鉄において、ニューヨーク市地下鉄のように緩急分離運転の可能な複々線で敷設された路線はなく、緩急接続・待避が可能な地下駅も限られているため、優等列車の設定のある路線でも地下区間での追い越しを行わない路線も多い。地下区間で待避を行うのは、東急新玉川線(現・田園都市線)急行の桜新町駅での事例が最初(ただし上記定義の (2) には相当しない区間である)。一般に地下鉄と呼ばれる区間では都営地下鉄新宿線瑞江駅、東京メトロ副都心線東新宿駅も同様の構造を持つ。 このほか特殊な事例として、東京メトロ千代田線・有楽町線から小田急小田原線経由箱根登山鉄道線直通による、狭義の地下鉄では初となる有料の特急列車の運行(小田急ロマンスカー#他社からの乗り入れを参照)、東京メトロ日比谷線から東急東横線経由みなとみらい線直通による「みなとみらい号」(多客期のみ・運行終了)。一方、日本の地下鉄では唯一特別料金不要の Osaka Metro堺筋線から阪急京都本線経由嵐山線直通による臨時特急(阪急京都本線#嵐山線直通臨時列車を参照)の事例がある。いずれも、地下鉄区間から観光地への利便性を図ったものであり、他路線における緩急分離運転とは目的が異なる。
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