日本におけるCMの販売単位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:21 UTC 版)
「コマーシャルメッセージ」の記事における「日本におけるCMの販売単位」の解説
CM1本あたりの放送時間の変遷について述べる。日本で民間放送が開始された当初は生コマーシャルが主流であり、その特性上記録が残っていないものの、すべて1分から2分の長尺であったと考えられている。後述の黎明期の録音・録画CMは60秒ないし30秒で制作されており、やがてこの60秒枠・30秒枠(ラジオでは20秒枠も)がスポットCMの販売単位として定着する。 30秒が基本であった販売単位がはじめて15秒に切り詰められたのは1961年秋であった。さらに翌年の1962年、テレビにおいて、無音のテロップカード1枚送出に限られていた5秒CMで、音声・動画を伴わせることが認められ、限られた時間の中で突飛なキーワードを発するなどの、これまでになかった型のCMが次々制作され、流行語の源泉となった(後述)。 しかし過激化が進んで視聴者が離れることで広告効果が薄れ、制作側の消耗も激しく、「低俗化」との批判も受け、1965年10月にTBSテレビがAタイム(19時から21時)での5秒枠の販売を停止したのをきっかけに、5秒CMの制作数は急激に減少した。このような経緯を経て、15秒枠が日本のCM時間のスタンダードとなり、長尺として30秒・60秒が用いられるにいたった。 民放連では、放送基準151条においてテレビのスポットCMの標準時間目安を5秒・10秒・15秒・20秒・30秒・60秒と定めている。ラジオのCMについては、民放連放送基準は標準時間の申し合わせ項目を設けていないが、5秒・20秒・40秒・60秒のいずれかであることがほとんどで、そのうち20秒のものが非常に多い。 テレビCMの場合、スポットCMでは15秒単位、タイムCMでは30秒単位での販売となっている(例外もある)。通常、ネットワークセールスのテレビ番組内において、タイムCMのみ、スポットCMのみをそれぞれ流すように枠を分けるが、TBS製作の一部全国ネット番組のように、CM枠の前半にタイムCM、後半にスポットCMを配置している例もある。 60秒で製作したCMは、全国ネット番組のタイムCMでよくみられる。1970年代までは関西ローカルCMのパルナス製菓などのようにスポットでの60秒CMも存在した。 1960年代前半に多数制作された5秒CMは、それ以降も地方局で細々と見られていたが、2011年頃からやはり地方局で本数が増えるようになり、15秒スポットCMが入るべき枠に3本を分散させて放送している。主に量販店の割引やポイントアップのキャンペーンCMが中心である。
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