日本における目名の表記法に関する議論とは? わかりやすく解説

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日本における目名の表記法に関する議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:37 UTC 版)

哺乳類」の記事における「日本における目名の表記法に関する議論」の解説

日本では明治維新以来目名には「齧歯目」「霊長目」等、原名ラテン語おおむね忠実に漢訳した漢名用いられてきた(一般にはしばしば、「齧歯類」「霊長類」のように「類」が慣用されてきた)。だが、1988年文部省の『学術用語集 動物学編』において、目以下の名称をすべてカナ書きにし、目名は「ネズミ目」「サル目」のように、それぞれの動物群代表する動物名カナ書き)に変えるという改定なされた。 しかし、たとえば「ネコ目」(食肉目)のネコ亜目アシカ亜目イヌ上科ネコ上科のように、亜目上科のような比較的高い階層分類階級による動物群は、それぞれ他のグループとは明らかに異な特有の性質をもつものであり、1つ下位分類群の名前(「ネコ」)によって、目という大きなグループ全体(ネコ・イヌ・イタチ・クマ・アライグマ・パンダ・アシカ・アザラシ・セイウチなどからなる食肉目)を代表させることは、必ずしも直観的なわかりやすさにはつながらない。 さらに、近年の研究により、偶蹄目クジラ目詳細な系統明らかにされ、「鯨偶蹄目」が創設された。これをカナ書き原則当てはめると「クジラウシ目」となる。また、サル目ヒト科」は教科書にも全く採用されていないまた、以前からの慣用として、どの分類階級であるかにかかわらず、「○○仲間」を「○○類」と書ことがあるが、かつての漢名ならば、たとえば「齧歯類と言えば、それが「目」階層の「齧歯目」を指すことは明らかであり、他の階層との混同のおそれはなかった。それが、「齧歯目」が「ネズミ目」となることによって、「ネズミ類」という言葉が示す可能性のある階層範囲が目のレベルにまで広がり混乱拡大されたという側面もある。つまり、旧来の用例ならば、たとえば「齧歯類」にネズミの類とリスの類、ヤマアラシの類が含まれることは容易に認識できるが、新し用例で「ネズミ類」とした場合、これが狭義ネズミ類なのか、リスヤマアラシの類をも含んだ概念なのかが把握しにくくなってしまっている。 この分類名の改定は、分類学根本理念に対して充分に配慮した上でのものではなく、また平易化にむしろ逆行する部分もあることから、学界内でも現在なお議論が多い。現状では、旧来の漢名そのまま用いたり新しカナ名と併記したりする例も多い。 日本哺乳類学会目名問題検討作業部会では、基本的に従来漢字名統一すべきという論文発表し事実上用語集の再改定求めている。

※この「日本における目名の表記法に関する議論」の解説は、「哺乳類」の解説の一部です。
「日本における目名の表記法に関する議論」を含む「哺乳類」の記事については、「哺乳類」の概要を参照ください。

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