日本における差別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 14:35 UTC 版)
日本では、たとえば江戸時代の身分制社会にも実質的には身分差別があった。慶応3年/明治元年(1868年)の明治維新を経て、翌年、徳川時代の身分制が再編成され、新たに華族・士族・平民の差別が定められる。1871年(明治4年)には穢多・非人の呼称が廃止される。だが後に新平民として新たに差別される。これに対しては全国水平社の運動が興ったものの、名称を特殊部落から被差別部落へと変えても差別意識は残存した。また、西欧の平等思想などを日本へ導入した福澤諭吉は「天の下の平等」を訴え近代化をすすめたが、他方、貧民切り捨て論や東アジア諸国を「亜細亜東方の悪友を謝絶する」とした脱亜論などを展開したことで、近年批判されている。なお、脱亜論については、福澤ではなく石河幹明によるものであるという説もある。[独自研究?] 他の差別については上記「差別の種類」の各項目、および穢れ、賎民を参照。 日本近・現代史の研究で著名なアメリカの歴史学者のジョン・ダワーは、日本における差別の特徴として、日本社会の古くからある身内を清浄、ヨソ者を不浄に結びつける心理的態度を紹介している。 精神科医土居健郎は、著書「甘えの構造」の中で、日本人の人間関係の種類として、内と外、を挙げ、“身内にべたべた甘える者に限って、他人に対しては傍若無人・冷酷無比の態度に出ることが多い” 点や、日本人が身内と、身内以外の人に対して、“自分の行動の規範が異ることは、なんら内的葛藤の材料とはならない” 点を、日本人の特徴として挙げている。 国連人権委員会の特別報告者は調査のため2005年(平成17年)に来日し、日本は差別が「根深く深刻な」国であり、「精神も思考も閉鎖的」な社会だと報告している。 日本は言語を用いた他者の名誉と尊厳に関する差別が激しい社会であり、それを以て礼儀として通用させている。詳細は待遇表現を参照。
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