日本における刑務所図書館
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/27 01:10 UTC 版)
「刑務所図書館」の記事における「日本における刑務所図書館」の解説
2014年現在の現行法である「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」では、 第一条(目的) この法律は、刑事収容施設(刑事施設、留置施設及び海上保安留置施設をいう。)の適正な管理運営を図るとともに、被収容者、被留置者及び海上保安被留置者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うことを目的とする。 — 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 とあるように、被収容者の処遇について、人権を尊重することを謳っており、被収容者の権利義務を明確にした。被収容者の読書環境に関わる規定として、「第八節 書籍等の閲覧」を設け、自弁の書籍等の閲覧、新聞紙に関する制限、時事の報道に接する機会の付与等について規定している。第七十二条では、刑事施設の長に、刑事施設に書籍等を備え付ける義務を課している。ただし、図書館と呼べるレベルの刑務所図書館を有する矯正施設は極僅かで、多くの刑務所図書館は図書室レベルに留まる。 日本の刑務所図書館、あるいは読書施設に関する調査はあまり行われていないため、現状を全国的に把握するのは難しい。しかし、通常は開架式又は閉架式の図書室を設け、そこに被収容者を連行し、図書カード等を用いて貸し出しをする方法が採られている。また各居室棟や工場の食堂内に図書コーナーを設置して自由に貸し出す方法などもある。 後述する海外の刑務所図書館の現状とは異なり、図書や閲覧できる部屋等が十分に設けられているとはいえず、実質的な読書環境の整備は進んでいない。実際に、法務省が行っている「受刑者に対する釈放時アンケート(平成24年度分)」では、各種の教育(改善指導等)のうち、図書(官本)について受刑者にたずねたところ、「種類の不足」という意見が男女とも50%以上を占めており、女子においては「本を選ぶ時間が短かった」という指摘が多くみられた 。
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