日本と日本人の精神性を象徴する花
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:32 UTC 版)
「サクラ」の記事における「日本と日本人の精神性を象徴する花」の解説
桜では開花のみならず、散って桜吹雪が舞う「雅」な様を現した。一部では散り行く儚さや潔さも、愛玩の対象となっている。古くから桜は、諸行無常といった感覚にたとえられており、ぱっと咲き、さっと散る姿ははかない人生を投影する対象である。 江戸時代の国学者、本居宣長は「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」と詠み、桜が「もののあはれ」などを基調とする日本人の精神の具体的な例えとみなした。また明治時代には新渡戸稲造が「武士道」をサクラと同じ「日本固有の花」と例えた。 日本では国花が法定されておらず、天皇や皇室の象徴する花は菊であるが、特に明治時代以降はサクラが多くの公的機関でシンボルとして用いられており、「事実上の国花」のような扱いを受けている。旧日本軍(陸軍・海軍)が桜の意匠を徽章などに積極的に使用したほか、明治時代の「歩兵の本領」や昭和時代「同期の桜」などの軍歌・戦時歌謡の歌詞に「桜」という表現が使用され、太平洋戦争(大東亜戦争)末期には「桜花」や「桜弾機」など特攻兵器の名称にも使われた。 また、明治時代以降はサクラは日本の象徴として国際親善にも利用されるようになった。全米桜祭りで知られるアメリカ合衆国のポトマック河畔の桜も日米友好のために東京市長の尾崎行雄が寄贈したものである。なお、この返礼として日本にはハナミズキが贈られている。その他の国との間でも友好のために贈ることがある。 千円紙幣の裏面には桜が描かれている。また1967年(昭和42年)以降、百円硬貨の表は桜のデザインである。 五芒星(五光星)の周囲に「桜葉」を配した陸軍の近衛師団将兵専用の帽章 錨などに「桜」と「桜葉」を配した海軍の士官専用の帽章 多数の「桜」が配置された統合幕僚長旗(自衛隊の旗) 百円硬貨の表面に刻印された桜
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