日向神湖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 06:03 UTC 版)
ダムは名勝である日向神峡に建設された。この日向神峡は切り立った安山岩が険阻な峡谷を形成しており、岩山に洞穴が開いており『景色を見に来た日向国の神様の神馬が蹴り飛ばした』と地元に伝えられている「蹴洞岩」(けほぎいわ)を始め「黒岩」・「天戸岩」・「正面岩」等の奇岩群がダム湖である日向神湖と見事な景観を作り出している。日向神湖沿いはサクラの名所として知られ、「千本桜」として花見の名所となっている。この他シャクナゲやツツジも有名である。上流の矢部村ではサワガニの味噌漬けやユズが特産である。1977年(昭和52年)からはダム周辺環境整備事業の一環として湖岸公園の整備等が行われ、1982年(昭和57年)に完成している。 交通としては国道442号が唯一のルートであるが、国道昇格以前までは福岡県道・大分県道・熊本県道115号八女小国線が主要地方道3号線として扱われていた。沿線には国の天然記念物である「黒木の大藤」や西筑後の要衝であり落城にまつわる伝説もある猫尾城跡といった名所・旧跡もある。また、矢部川を遡り竹原峠を越えると鯛生金山跡や松原ダム・下筌ダム、杖立温泉へ至り、日田市・阿蘇山・竹田市方面への重要なルートでもある。以前は細く曲がりくねった峠道であったが、近年竹原峠トンネルが開通し阿蘇・大分方面へのアクセスが格段に整備された。公共交通機関としては堀川バスが羽犬塚駅・福島バスターミナル(八女市中心部)から黒木町・日向神ダムを経由し矢部村に向かうバスを運行しており、羽犬塚駅から約1時間15分、福島バスターミナルより約1時間の所要時間である。 日向神ダムへは国道442号の月足トンネルを通過後直ちに左折、直進すると到着する。ダムを渡りさらに直進すると正面に天戸岩が見え、その奥に蹴洞岩などの奇岩群がある。一方松瀬ダムへは道路がつづら折になる手前で矢部川沿いに左折、直進すると到着する。さらに奥へ進むと日向神峡の奇岩群があり、突き当たりに大渕発電所と日向神ダム下流正面へ至る。ただし国道を除く道路は何れも狭く、かつ蹴洞岩への道路は断崖絶壁でカーブが連続するため運転には細心の注意が必要である。大雨の後などには落石の危険もあるため、通行規制には従うことが必要である。
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