旅客扱い駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/21 01:54 UTC 版)
バス専用道での駅は全体的に鉄道駅に近い(白棚線・磐城金山駅) 自動車駅の窓口の例。鉄道駅の窓口とあまり変わらない(志賀草津高原線・草津温泉駅) バス駅とも呼ばれる。独立した敷地を有する自動車駅の場合、単独のバスターミナルとして設置されていることが多いが、車庫の一角に駅としてのスペースを置いたり、敷地内に営業所の建物とは別に駅舎を建てるケースもある。折り返しの運行系統が存在しない場合でも独立した敷地を有することもある。また、松山高知急行線の落出駅のように、駅舎以外に独立した敷地を有さないにもかかわらずバスターミナルとしての機能を有していた例もある。白棚線や阪本線のバス専用道の自動車駅では、ホーム上屋などの構造も鉄道駅に近いものとなっていた。 これらの自動車駅では鉄道駅と同様の業務形態とすることもあった。例えば、1985年頃の志賀草津高原線の草津温泉駅では、改札口を設置し、バス便ごとに乗車改札を行なっていた。東名高速線の東京駅では改札口はないものの、バス乗車口において乗車改札を行なっている。窓口ではバス乗車券だけでなく、鉄道との通し乗車券も発売した。一部の駅には「みどりの窓口」も設置されており、座席指定券を購入することもできた。また、一部の駅を除いて手荷物・小荷物の扱いも行なっていた。 鉄道駅の窓口で発行された自動車線回数券の例(渋川線・渋川駅) 自動車駅発行であることを示す記号が記載されている例(東名高速線・東京駅発行) 鉄道駅へ乗り入れている場合、鉄道駅の窓口でバスについての営業を行なうことが多かったが、バス乗車券の扱いが多い場合はバス独自の窓口を設置するケースもある。例えば、東名高速線の東京駅では国鉄(JR)バス東京駅として独立した窓口があり、乗車券券面の発行箇所表記も「(自)東京駅」(実際には○の中に「自」)と記載することで区別されていた。 地方の駅では、窓口業務を外部に委託していた。日本交通観光社が受託会社となっていたケースが多いが、日肥線の村所駅のように自治体が受託していたケースもある。また、国鉄バス乗り入れに際し、運輸協定の中で他のバス事業者に窓口業務を委託した例も、美伯線の三朝温泉駅(日ノ丸自動車に委託)などに見られる。 このほかにも実質的には鉄道駅でありながら、自動車駅が窓口業務を行っていた駅があった。岩泉線岩泉駅(岩泉駅前駅)、旧久慈線陸中野田駅(陸中野田駅前駅)、同線普代駅(普代駅前駅)、越美北線九頭竜湖駅(九頭竜湖駅前駅)がそれに該当する。これらの駅では鉄道券を購入しても発行駅名は「駅前駅」となっており、自動車駅としての発行となっていた。2000年、岩泉駅でのJRバス乗車券取扱廃止により、鉄道券の「駅前駅」発行がなくなり、2008年の久慈海岸線および陸中野田駅前駅が廃止となり、このような形態は姿を消した。 なお、運賃区界停留所も自動車駅と同様の扱いとされて、鉄道との通し乗車券を発券することができた。運賃区界の停留所は駅員無配置駅として、運賃区界停留所でない停留所は「乗降場」という扱いとなる。いずれも設備としては駅名標(バス停留所ポール)のみである。
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