新内閣発足時の親任式と認証官任命式の間隔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 23:08 UTC 版)
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内閣総理大臣の任命について定める日本国憲法第6条には日本国憲法第7条とは異なり「内閣の助言と承認」の文言がないが、内閣総理大臣の任命は日本国憲法第4条の「この憲法の定める国事に関する行為」に含まれるため日本国憲法第3条の効果として内閣の助言と承認を要する。そして、内閣総理大臣の任命について先例では日本国憲法第71条の規定によって従前の内閣が助言と承認を行うことになっている。この内閣総理大臣の任命によって従前の内閣はその地位を完全に失うことになる(日本国憲法第71条)。 したがって、新内閣の国務大臣の任命・認証までの時間は内閣総理大臣以外の国務大臣が不在状態となる。しかし、憲法上、内閣は合議体であることを本質とすることから、内閣総理大臣の任命の時期から国務大臣の任命・内閣の成立までは極めて短い期間であることが期待されていると考えられている。かつて片山内閣では1947年5月27日の内閣総理大臣任命後の同年6月1日に国務大臣が任命され、また、第2次吉田内閣でも1948年10月15日の内閣総理大臣任命後の同年10月19日に国務大臣が任命されたが、いずれの場合にも内閣総理大臣任命から組閣完了まで数日を要し、このような手続のとり方に対しては合議体たる内閣制度の本旨に反するもので妥当でないといった批判があった。これに対して第3次吉田内閣では1949年2月11日の内閣総理大臣指名後の同年2月16日に組閣が完了した上で内閣総理大臣と国務大臣の任命が同時に行われ、このような手続をとる慣行が憲法の趣旨に合致するといった評価を受けた。その後は次期首相となる者は指名を受けた者の資格において組閣の準備に取りかかり、国務大臣とする者を予め選定した上で、その後、内閣総理大臣の任命と時間的に密着する形で国務大臣の任命と認証の手続がとられることが一般的となっている。今日、新たに内閣総理大臣が指名される場合、多くの例ではいわゆる組閣作業を済ませてから親任式、次いで認証官任命式を執り行うが、この場合は両式の間におおむね1時間程度の準備時間が生ずるとされる。憲法第71条の規定により、前内閣(職務執行内閣)の全閣僚は親任式における新総理任命の時点でその地位を喪失するため、認証官任命式での新国務大臣の任命・認証までの約1時間は厳密には総理以外の国務大臣が不在状態となるが、宮中に留まっている(総理が事務的作業を控える)ため、総理が自らに対して(空位となっている)各省大臣の臨時代理や委員長・長官・特命担当大臣の事務取扱の発令はしないのが慣例である。ただし、組閣作業未了で親任式だけをまず執り行った場合(つまり一旦宮中を出て官邸で組閣作業後に宮中に戻って認証官任命式を執り行う場合)は、その間の措置として総理が自らに各省大臣の臨時代理と委員長・長官・特命担当大臣の事務取扱の発令をすることで行政権の空白を生まないようにすることとなっている。そのような臨代・事取の一斉発令の事例としては期間の長いものでは片山内閣(親任式1947年5月24日、認証官任命式同年6月1日)が、短いものでは羽田内閣(親任式1994年4月28日午前8時55分、認証官任命式同日午後6時15分)などがある(一人内閣参照)。 また2019年における考慮では、新内閣の大臣が認証官任命式を終える前は、当然にして「前」とされる大臣はいるので大臣空白という事は有り得ない。
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