文献上の鴆および鴆の実在性とは? わかりやすく解説

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文献上の鴆および鴆の実在性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 02:55 UTC 版)

」の記事における「文献上の鴆および鴆の実在性」の解説

韓非子』や『史記』など紀元前古文献では、この羽毛から採った毒は鴆毒呼ばれ古来よりしばしば暗殺使われた。鴆毒無味無臭なおかつ水溶性であり、羽毛一枚浸して作った毒酒で、気付かれることなく相手毒殺できたという。春秋時代荘公後継ぎ争いで、荘公末弟季友は兄の叔牙鴆酒飲ませて殺した(『史記周公世家)。また、秦の始皇帝による誅殺恐れた呂不韋鴆酒仰いで自殺した(『史記』)呂不韋伝)など、古い文献による毒殺の例は数多い紀元前文献では、生息したとされる地域おおむね江南長江以南)であり、晋代長江以北持ち込んでならないとする禁令があった。南朝宋では取締り厳しくなり、皇帝駆除のため営巣した山ごと燃やせ命令出したとか、ヒナ都に連れてきただけの男をヒナと共に処刑させたといった記述がある。南北朝時代最後に文献上の記録絶えることとなるが、その頃記録文献毎にバラバラ統一性がなく、すでに伝説上の存在になっていた様子伺える。唐代になると当時政府存在認めず659年刊行医薬書『新修本草』では存否不詳とされてしまった。また鳥類学上、有毒種全くないとされていた。それ故にいつか伝説化され、龍や鳳凰などと同様の単なる空想上動物考えられるようになった。 だが1992年になってニューギニア生息し原住民猟師たちが昔から食べられないとして嫌っていたピトフーイという羽毛に毒を有していることがわかり、かつて実在していた可能性現実味を帯びることとなってきた。ピトフーイ以外にも2000年発見されズアオチメドリ皮切りに複数の毒鳥類新たに発見されており、これら発見された毒鳥類姿形山海経等の古文献にあるの図はまるで似ていないものの、当時中国未知の(既に絶滅した)毒鳥類生息していた可能性否定できない

※この「文献上の鴆および鴆の実在性」の解説は、「鴆」の解説の一部です。
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