文化と政治経済
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/25 23:39 UTC 版)
マスメディアは娯楽情報や文化や教養面の情報を発信し、また企業が自らの商品を売り込むための広告や、各団体が行う広報も大量に流される。こうしたマスメディアによる画一的で一方的な大量の情報の提供は、市民の受け取る情報を一様なものとすることで広汎な共通文化市場を生み出し、人々が広く愉しむ大衆文化を成立させた。大衆文化が本格的に成立したのは第1次世界大戦後のアメリカであり、マスコミュニケーションの発達と販売技術の向上によってその波は世界に波及して、それまでの社会の価値観を大きく変動させた。 文化はナショナリズムと密接な関連があり、国家は自国の国民文化の創出に力を注ぐ。ヨーロッパでは19世紀に民族意識やナショナリズムが興隆した結果、各地でその地域を代表するような名物料理が成立し、民族・地域意識の核のひとつとなってきた。また、音楽・文学・映画などをはじめとする大衆文化や、その国の伝統文化は当該国家の競争力を高めるのに有効な手段と見なされており、各国は競って文化産業の輸出や自国文化の広報に力を入れるようになっている。こうした文化面からの交流によって他国からの共感と好意を得、自国のイメージを向上させることは外交上ソフトパワーと呼ばれ、ソフトパワーを得るために他国の市民に対し自国の広報を行うことをパブリック・ディプロマシーと呼び、重要な外交の一手段となっている。
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