数え上げ幾何学とは? わかりやすく解説

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数え上げ幾何学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/27 13:37 UTC 版)

数学では数え上げ幾何学(enumerative geometry)は代数幾何学の一分野であり、主に交叉理論により、幾何学的な問題の解の数を数え上げることに関連している。


  1. ^ Schubert, H. (1979) [1879]. Kalkül der abzählenden Geometrie 
  2. ^ Fulton, William (1984). “10.4”. Intersection Theory. ISBN 0-387-12176-5 
  3. ^ * Candelas, Philip; de la Ossa, Xenia; Green, Paul; Parks, Linda (1991). “A pair of Calabi-Yau manifolds as an exactly soluble superconformal field theory”. Nuclear Physics B 359 (1): 21-74. doi:10.1016/0550-3213(91)90292-6. 


「数え上げ幾何学」の続きの解説一覧

数え上げ幾何学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 05:10 UTC 版)

ミラー対称性 (弦理論)」の記事における「数え上げ幾何学」の解説

ミラー対称性重要な数学への応用多くは、数え上げ幾何学と呼ばれる数学分野属している。数え上げ幾何学では、典型的に代数幾何学使い幾何学的な問題の解の数を数え上げることに興味がある。数え上げ幾何学のもっとも早い時期問題一つに、ギリシャ数学者アポロニウスによる紀元前200年頃提案され問題である。彼は、どのようにすれば与えられ3つの円に接す平面上のはいくつあるかが分かるかと問うた。 一般にアポロニウスの問題の解は、8つの円が存在する。右の図は黒で示した3つの与えられた円の例を示している。 数学数え上げ問題はしばしば、多項式の値がゼロとなる点として定義されるいわゆる代数多様体という幾何学的対象クラス関係している。例えば、クレブシュ3次曲面英語版)は左に図示してある4変数3次多項式により定義される19世紀数学者アーサー・ケイリー(Arthur Cayley)とジョージ・サルモン(英語版)(George Salmon)の結果は、この曲面上にはちょう27 本の直線があるとのことであった。 この問題一般化すると、上に述べたカラビ・ヤウ多様体であるクインティックスリーフォールド(5次多項式記述される複素3次元多様体の上に何本の直線を描くことができるかという問題となる。この問題19世紀ドイツ数学者ヘルマン・シューベルト(英語版)(Hermann Schubert)により解かれ、彼はそのような直線はちょうど 2,875 本存在することを発見した。さらに、1986年幾何学者、セルダン・カッツ(Sheldon Katz)が、クインティックスリーフォールドに完全に入っている(円のような2次曲線の数は 609,250 個あることを証明した1991年頃には、数え上げ幾何学の古典的な問題大半解かれ、数え上げ幾何学への興味下火になり始めていた。数学者マーク・グロス(英語版)(Mark Gross)によれば、「古い問題解かれるとともに人々シューベルトの数を現代のテクニック使いチェックするほうへ戻りはしたものの、非常に古めかしいものでした。」 しかしながらこの分野は1991年5月にふたたび活発化始めたそのとき物理学者であったフィリップ・キャンデラス(英語版)(Philip Candelas)、ゼニア・デ・ラ・オッサ(Xenia de la Ossa)、ポール・グリーン(Paul Green)とリンダ・パークス(Linda Parks)は、ミラー対称性クインティックスリーフォールド含まれる3次曲線の数を数えることに使うことができるかもしれないことを示した大まかにいうと、カラビ・ヤウ多様体内部に完全に含まれる球として、3次曲線考えることができる。 キャンデラスと彼の協力者は、そのような6次元カラビ・ヤウ多様体3次曲線をちょうど 317,206,375 個含むことができること発見したクインティックスリーフォールド上の3次曲線数えることに加えて、キャンデラスと彼の協力者は、数学者たちの得た結果はるかに超える有理曲線数え上げに関するより一般的な数多く結果得た。 この仕事使われ方法理論物理学からの数学的には厳密(en:mathematical rigor)ではないアイデア基礎としていたが、数学者たちはミラー対称性予想いくつか数学的厳密に証明した。特に、ミラー対称性の数え上げ幾何学の予想は、現在では厳密に証明されている。

※この「数え上げ幾何学」の解説は、「ミラー対称性 (弦理論)」の解説の一部です。
「数え上げ幾何学」を含む「ミラー対称性 (弦理論)」の記事については、「ミラー対称性 (弦理論)」の概要を参照ください。

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