改札の統合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 06:59 UTC 版)
元々は、東西線・半蔵門線・都営新宿線は互いに別改札であった。そのうち半蔵門線と都営新宿線は、当駅から神保町駅までの区間のトンネルを東京都交通局が一括で建設したためか、開業当時から当駅の半蔵門線押上方面(4番線)と都営新宿線新宿方面(5番線)のホームを厚さ約40 cmの壁で仕切った造りとなっていた(非常口が両ホームを結んでいた)。この壁があることにより、乗客は乗り換えの際に階段の上り下りや改札の通過を伴う遠回りをしなければならないという不便を強いられた。また、ホーム自体の幅も壁によって半分ずつに分けられてしまう上、階段部分では一方のホームの階段が他方のホームに張り出す格好となることから、最も狭い箇所では幅がおよそ1.5 mにまで狭められるという安全上の問題も存在した。 2011年12月、東京都交通局および東京メトロの両者が、ホームとコンコースの壁を撤去して乗り換えの利便性を向上させる工事を行うと発表した。工事開始は同年12月15日終電後で、全長210 mのホームのうち約90 m分の壁が撤去されることになった。2012年6月21日、東京地下鉄・都営地下鉄の一元化に向けた議論を主導していた当時の猪瀬直樹東京都副知事(後の東京都知事)が当駅を視察し、この壁のことを養老孟司の著書になぞらえて「バカの壁」と表現した。 壁撤去後の2013年3月16日、半蔵門線と都営新宿線の改札が統合され、両路線合わせて3面4線配置となった。これと合わせ、券売機スペースに新たに他方の運営体の券売機を設置する、改札機でも互いの切符を処理できるようにするなどのサービス向上が行われ、乗り換え客以外にも利便性の向上が図られた。 一方で、壁撤去後も東西線は他路線と同一改札内で乗り換えられない状況が続いていたが、既存の改札口の移設・撤去工事を行い、2020年3月14日に半蔵門線・都営新宿線と東西線の改札が統合され、3線共通改札口の利用が開始された。 壁撤去工事中の半蔵門線ホーム(2012年4月) 壁撤去後の半蔵門線・都営新宿線ホーム(2014年)
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