撤退まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 10:17 UTC 版)
「S3 Graphics」の記事における「撤退まで」の解説
S3はViRGE/DX、その後継の同/GX、同/GX2(ViRGE/GX2でViRGEの3倍速)とViRGEシリーズの3D機能強化を行っていったが、市場での印象は好ましいものではなかった。そこで開発中の同/GX3・同/GX4をSavage3D・Savage4に改名しSavageブランドを発表しイメージを一新を図る。しかし財務状況悪化により高性能製品の開発も滞るようになる。それ以後、大きな差のない製品(ほぼ同時期にViRGEシリーズで15種類、Savageシリーズで30種類、その他Trio3D等)を乱発し、製品ラインナップすら満足に確立できなくなっていった。 そしてS3が停滞していた1996年に専用APIのGlideを採用したVoodooシリーズを3dfxが発売、NVIDIAもDirect3Dに対応し3D描画が高速な製品を矢継ぎ早に発売し、ローエンドからハイエンドに至る市場を席巻した。NVIDIAがS3社のみならず3dfx社やその他のチップベンダーすら市場から駆逐しはじめたところへ決定的な製品としてGeForce256が発表された。S3はNVIDIAやATIの製品に性能面で遅れを取り、その一方で低価格(低性能)化路線は90年代後半にGPU機能がマザーボードのチップセットに統合されたことで、単体GPUの低価格製品市場も徐々に無くなっていく状況にあった。GeForce256に対抗する製品として投入されたSavage2000はS3TLと称するジオメトリエンジンを搭載した。しかし、デバイスドライバやハードウェアT&Lエンジンのバグなどの問題により、CPUで処理させた方が速いという本末転倒の状況すら発生してしまう。 1999年に老舗のGPUカードメーカーのDiamond Multimedia Systemsを吸収合併しマルチメディア機器部門を設立。チップのみならずカード製品の販売をも行うことでテコ入れを図ったものの、2000年4月11日にGPU部門を3億2,300万ドルで台湾のVIA Technologiesに売却し、S3はVIAグループの一員として生き残る道を選ぶ。その際に両社で設立されたのがS3 Graphicsである。S3本体は2000年8月3日にGPU関連業務から撤退し社名をSONICblueに変更しマルチメディア機器に注力したが、2003年3月21日に連邦倒産法第11章の申し立てを申請して解散した。
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