投資信託の商品性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 08:25 UTC 版)
投資信託は、株式や債券、REITなどの有価証券に投資を行う。日本で飛ばしが流行った時代に行われたような元本保証はない。銀行などの普通預金や定期預金よりも良い投資益が期待されるが、これは相当するリスクを取ったことに対するリスク・プレミアムを受取っていると解釈できる。特にペイオフが解禁され、低金利(ゼロ金利政策)による預金での利息収入がほぼ見込めない現状では、資産運用のための一手段として注目されている。 どの程度のリスクを取ってどの程度のリターンが得られるかは、投資信託の投資対象によって千差万別である。たとえば、株式は債券よりリスクが大きく、リターンも大きいとされる。また、国内を投資対象としているものよりも、海外を投資対象としているもののほうが為替レートの影響も受けるためリスクやリターンが大きいとされる。 いつでも購入・解約できる追加型投資信託などでは、保有する資産の評価額の変動に対応して、基準価額が計算されている。運用の利益は、一定期間ごとに払出される分配金の他、基準価額の値上がり益があれば、解約・売却時に受取ることができる。 信託財産の運用により大幅な収益が上がり基準価額が上昇すると、口数単位で購入する場合に購入単価が上昇し購入しづらくなるため、基準価額を下げるために受益権の再分割をすることがある。1999年-2000年のITバブルの頃に流行した。そこで振替制度が必要になった。すべての投資信託ファンドの受益権は、2007年1月4日より証券保管振替制度に移行された(有価証券のペーパーレス化)。完全電子化のため、受益証券は発行されていない。 従来は、ある証券会社や銀行にある口座では、その会社系列のファンドしか購入できなかったが、近年の自由化と競争のため、他社のファンドも購入出来るようになっている。たとえば預金供託金庫が、比較的早くから中立的だった。 受益者がファンドを購入すると、販売した金融機関は購入手数料(フロントロード、front load)を得る。購入者がそのファンドを保有している間も、その投資信託を販売した金融機関は、信託報酬の一部を受託者から間接的に受け取ることができる。受益者がファンドの解約を行うときに、解約部分から信託財産留保額を徴収するものもある。 信託報酬は、一定率(通常年間0.2~3%程度)がファンドの純資産から日々差し引かれている。証券会社以外にも、銀行各社がこぞって投資信託の販売に力を入れるのは、購入手数料と信託報酬間接取得分が、非常に高額なためであると言われる。日本の投資信託では、購入額の3%前後が多数だが、アメリカ合衆国のミューチュアルファンドでは、販売手数料を一切徴収しないノーロードファンドが一般的である。この原資も普通、ファンドの純資産である。
※この「投資信託の商品性」の解説は、「投資信託」の解説の一部です。
「投資信託の商品性」を含む「投資信託」の記事については、「投資信託」の概要を参照ください。
- 投資信託の商品性のページへのリンク