技術の渉猟と経営の拡大
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 08:26 UTC 版)
「ユニリーバ」の記事における「技術の渉猟と経営の拡大」の解説
第二次世界大戦によってユニリーバのエンジニアが不足していることが明らかになり、プロクター・アンド・ギャンブルと終戦後に合成洗剤開発を提携するという応急措置がとられた。ユニリーバはこれをきっかけに化学工業へ進出した。初期の製品は河川の汚染をもたらしたが、1965年までに対策が行われた無害な製品を販売するようになった。ポート・サンライトは化学製品と木材(なめし剤になる。フォレスタルを参照)の研究センターとしてリニューアルされた。コルワース・ハウス(Colworth House)でも、保存料・歯磨き・シャンプーなどの研究が行われた。研究所は欧米とインドの各地にも設置された。そしてバターの代替品という地位からマーガリンを昇華させるべく、オランダのフラールディンゲン研究所は大豆油脂を精製する技術に磨きをかけた。 研究を支えるために経営も拡大した。1961年、アイスクリームのグッド・ユーモア(Good Humor)を買収(同年、ドメストも買収)。1969年にブルウェリーズ同盟(Allied Breweries)を当局の認可も得て合併しかけたが、自社株の価格下落により失敗した。気を取り直して1971年にリプトンを買収。1978年にはナショナル・スターチ(National Starch and Chemical)を買収した。ナショナル・スターチはトウモロコシやジャガイモを製粉するところからスタートして、糊などの有機化学製品を売るようになった多国籍企業であった。そのあとユニリーバは流通部門(包装・輸送・広告)を売り払い、1984年から1989年にかけてブルックボンド(Brooke Bond)を皮切りに80社ほどを次々と買収した。1984年はユニリーバにとって記念的であった。自社洗剤のウィスク(Wisk)がプロクター・アンド・ギャンブルのチア(Cheer)を(世界シェアで)上回ったのであった。1986年、クエスト・インターナショナル(Quest International、現・ジボダン)の子会社ナールデン(Naarden International)を買収、同年ポンズも社史最大規模で買収した。1989年、シェリング・プラウのヨーロッパ香水事業と、ファベルジュ(Fabergé)を買収した。
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