手鑑「見ぬ世の友」(二百二十九葉)
手鑑「見ぬ世の友」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 03:45 UTC 版)
国宝。古筆手鑑(こひつてかがみ)の代表例の一。日本書道史における「古筆」とは、和歌集の写本など、おもに平安・鎌倉時代を中心とした和様の筆跡を指す。本来、巻子本や冊子本として制作された写本を、後世鑑賞のために一葉ずつ、あるいは数行ずつに切り離したものを古筆切(こひつぎれ)と称し、古筆切を多数集めてアルバム状の折帖に貼り込んだものを古筆手鑑という。手鑑はもともと古筆家(代々古筆の鑑定を家業とする家)の鑑定用手控えとして作成されたものだが、後に鑑賞用にも作られるようになった。「見ぬ世の友」と題された本品は京都国立博物館蔵の「藻塩草」、MOA美術館蔵の「翰墨城」などと並ぶ手鑑の優品である。名称は『徒然草』13段の「ひとり灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなうなぐさむわざなる」による。収録する古筆切は計229葉で、奈良時代の「大聖武」(「賢愚経」巻二断簡)を筆頭に、「通切」(とおしぎれ、古今和歌集巻第十七断簡、平安時代)、「鎌倉切」(桂本万葉集巻第四断簡、平安時代)などを含む。若狭酒井家伝来。
※この「手鑑「見ぬ世の友」」の解説は、「出光美術館」の解説の一部です。
「手鑑「見ぬ世の友」」を含む「出光美術館」の記事については、「出光美術館」の概要を参照ください。
- 手鑑「見ぬ世の友」のページへのリンク