戦術・人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:44 UTC 版)
シメオネの思想・哲学を表した「チョリスモ」(シメオネ主義)と呼ばれる徹底守備の堅守速攻スタイルが特徴である。アトレティコ・マドリードではリトリートで自陣に撤退し、強度のあるプレスで堅守を徹底し失点を最小限に抑え、隙があれば速攻を仕掛けて最小限の力で得点し、最小限の得点力で手堅く常勝することで勝ち点を積み重ねる。シメオネは決断スピード・細部への注意力・変化適応力を持ち、アグレッシブさも特徴的で「泥が見えたら、私はすぐに飛び込む。サッカーの世界で生まれる挑戦が好きだ」と語っている。合理主義的な徹底したリアリストであり「綺麗なサッカー」よりも合理的な「より良いサッカー」を重視している。 基本フォーメーションは4-4-2でコンパクトなローライン(最終ラインのみハイライン)とゾーンディフェンスを使用する。2020年からは3バックを主に使用。相手チームがボールを保持している場合は中央から片方のサイドに集中してハードなプレスをかける。逆サイドのSBも片方のサイドへスライドし、ローリスクのために残りのDF3人で後方を固める。プレス失敗時は素早く自陣にリトリートし強固な鉄壁を築く。相手選手をサイドへ追い込み、中央にボールが入った場合はトラップが発動し相手選手を囲い込む。ボール奪取後は流動的な4-2-2-2フォーメーションとなり、フォワードは時折サイドにシフトして更にスペースを作る。相手チームの攻撃力が高い場合は可変フォーメーション 5-3-2に変更し更に強固な鉄壁を築く。シメオネの堅守は徹底した物であるため選手には不可欠なハードワークと規律を求め、逆境の中でチームを勝利に導く。クラウディオ・ラニエリ率いる2015-16年度プレミアリーグ優勝チーム レスター・シティはコンパクトな4-4-2で強豪相手に勝利を挙げ、シメオネのアトレティコ・マドリードと比較されてきた。シメオネは2006年のエストゥディアンテス・デ・ラ・プラタ監督時に4-4-2を初使用した。アトレティコ・マドリードでは相手にセットプレーからチャンスを作らせない一方でセットプレーからのチャンスメイクを重視し、アトレティコ・マドリードが2014年度リーガタイトル獲得時での1点を含め重要なゴール数個はセットプレーによる物である。2015-16 UEFAチャンピオンズリーグ準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦では1-0でリードされている時に4-4-2から4-1-4-1にフォーメーションを変更し、リーベル・プレート監督時には攻撃的な3-3-1-3を使用し、2011年のイタリア代表カターニャ指揮時には4-2-3-1と4-3-1-2を使い分けた。「硬直した戦術で自分を化石化させたくない」と語っている。 少年時代からラシン・クルブのサポーターであり、CAベレス・サルスフィエルドのユース出身であったがラシン・クルブで引退することを選び、ラシン・クルブへの移籍時にCAベレス・サルスフィエルドのサポーターから反感を買った。少年時代に好きだった選手はパウロ・ロベルト・ファルカン、ウーゴ・サバグノ、ホセ・ベルタ。コーチングについて影響を受けた人物はマルセロ・ビエルサ、スヴェン・ヨーラン・エリクソン、アルフィオ・バジーレ、ビクトリオ・スピネット、ルイジ・シモーニ、カルロス・ビラルド、ラドミル・アンティッチ。 長男ジョバンニ・シメオネ、次男ジャンルカ・シメオネ、三男ジュリアーノ・シメオネがおり全員がサッカー選手・FW。 ディエゴ・ゴディンはシメオネについて「選手たちは彼(シメオネ)のために死ぬだろう。彼は我々がもっと大きなチームと競い合えるという確信を与えてくれる。私たちは彼に大きな自信を持っており、私たちは死ぬまで彼と一緒にいるし、彼も私たちと一緒にいる。チーム全体が監督に自信を持っていると信じているし、自分たちが進むべき道を全員が知っている。そうやって物事を成し遂げる。」と語っている。
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