成果と問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/03 07:09 UTC 版)
「中小都市における公共図書館の運営」の記事における「成果と問題点」の解説
一方で『中小レポート』は、表現が主観的で説得力を欠く面があったとされ、1980年(昭和55年)に発表された『図書館白書 一九八〇 戦後公共図書館の歩み』においても、その意義が高く評価されながらも「荒けずり」と形容されるものでもあった。 具体的には、図書館が果たすべき機能を絞り込めず情報提供機能(資料提供に対応する)と教育機能(読書普及指導に対応する)との対立を内包した点、館外奉仕を活動の中心に位置づけ、館内奉仕は余力があったら実施すると言い切るほど軽視してしまった点、児童奉仕を重視しなかった点、個人貸出よりも団体貸出を重視した点などが問題点として挙げられ、そのまま図書館運営の標準的な規範とするには受容しがたいものでもあった。 この『中小レポート』の成果と問題点を受けて発行されたのが、1970年(昭和45年)の『市民の図書館』である。同書においては公共図書館の定義を「国民の知的自由を支える機関であり、知識と教養を社会的に保障する機関である」と規定して、『中小レポート』で示された理念をより抽象化し、『中小レポート』の問題点を克服して、はじめて公共図書館に普遍的な運営モデルを示したのである。
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