慢性進行性外眼筋麻痺症候群
発症は小児期から成人までと幅広く、10ー20歳に気付かれることが最も多いのです。まず眼瞼下垂(上まぶたがさがること)で気付かれます。病初期は片方のみのこともありますが、早晩両側性の眼瞼下垂となります。眼球運動制限もあり、進行すると全方向への運動が制限されます。眼症状のみのものもいますが、大半は易疲労性とか四肢の筋力低下も伴います。眼症状、網膜色素変性、心伝導障害を伴うものはKearns-Sayre syndrome (KSS)とよばれています。Kerns とSayreはこの病気をみつけた人の名前です。この病気では難聴、低身長、髄液の蛋白増加をよく認めます。また幼少時では知的退行をしばしば伴います。
血清乳酸値の上昇、筋生検で赤色ぼろ線維(ragged-red fiber)の存在の確認、チトクロームc酸化酵素染色で酵素活性が欠損した線維があること(部分欠損)で、診断が確定します。骨格筋内のmtDNAには変異がみられますが、血液から分離したものにはみられません。すなわち、本症は血液では遺伝子診断は出来ず、筋生検が必要です。
治療法には特別なものはありません。コエンザイムQ製剤(ノイキノン)の多めの投与で効果がある人がいます。目が下がってものが見ずらい方には、二重瞼を作るアイプッチというのが化粧品屋さんにあります。いちど試されてはいかがですか。
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