愛…しりそめし頃に…
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続編として『ビッグコミックオリジナル増刊』に掲載されていた作品。1989年12月号と1990年4月号に読み切りとして掲載された後、1995年12月号より正式な連載が開始され2013年4月12日発売の『ビッグコミックオリジナル増刊』2013年5月号で完結した。『愛…しりそめし頃に…』の完結をもって、「あすなろ編」から通算して43年の歴史に幕を下ろした。単行本では『愛…しりそめし頃に… 満賀道雄の青春』というタイトル表記になっている。略称は「愛しり」。 少年誌から青年誌へ連載の舞台が変わったこともあり、キャラクターの風貌がそれまでの少年誌向けの子供っぽいものから、年齢に相応の青年らしいものに変更されている。内容も満賀の私生活のエピソードが中心となり、才野の出番は大幅に減った。 タイトルが暗示する通り、青春時代の満賀の恋愛模様が多く描かれており、夜の繁華街の描写が多数あるなど、『まんが道』の時よりも読者の対象年齢は上がっている。しかし連載終了して間もなく「思ったほど大人向けの色気が少なかったのでわざわざタイトルを変える必要なんてなかったかも。」と語っている。また、エピソードの最後のコマではその回の内容に合わせた詩や歌詞が作者名と共に引用されて締めくくられるが、そのほとんどが藤子不二雄Aの変名による架空のものである。 「春雷編」からの続きになっているが、満賀が手塚の手伝いをするシーンで、既になくなったはずの『漫画少年』の原稿を描いているなど過去作との矛盾点も存在する。また、トキワ荘で同じ部屋に暮らしていた満賀と才野が別々の部屋で暮らすようになっていたり、才野の顔の描写が変わっていたり、それまで実名で登場していた「森安なおや」の名前が「風森やすじ」に変更されている。トキワ荘を退去してから描いた『怪物くん』の制作秘話がトキワ荘時代として語られるなど、時系列も実際とは異なる部分が多い。 単行本では巻末附録として、作品中に登場した漫画が雑誌掲載時のまま復刻されていたり、藤子不二雄Ⓐがスクラップしていた当時のこまごまとした記録が収録される。2巻では『愛…しりそめし頃に…』の連載中に亡くなった藤子・F・不二雄について書かれた「さらば友よ」が収録されている。
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