恐竜の再生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 20:35 UTC 版)
「ジュラシック・パーク (小説)」の記事における「恐竜の再生」の解説
琥珀に閉じ込められた蚊の腹部の血液から恐竜のDNAを採取し、これを解析・復元した上で欠損部位を現生のカエルのDNAで補完し、さらにこれをワニの未受精卵に注入することで恐竜を再生する手法が描かれる。この設定により、原作当時に勃興しつつあったバイオテクノロジーを背景として、恐竜を現代によみがえらせるという一見非現実的なテーマに大きなリアリティを与えることに成功している。琥珀の中の吸血昆虫からDNAを採取するというアイデアは、カリフォルニア大学バークレー校のジョージ・ポイナー博士が1992年、琥珀の中のシロアリからDNAを採取し、塩基配列を決定したというニュースをクライトンが耳にし、クライトン自身がポイナーに連絡を取ったことがきっかけとなっている(小説の出版が1990年なのでこの説は時系列的に矛盾している)。なお、現生種に近い蚊のもっとも古い化石は7,900万年前の白亜紀のカナダ産の琥珀から見つかっており、より原始的な蚊は9,000万年から1億年前のジュラ紀の琥珀から見つかっている。 DNAの欠損部位の補完に使われたカエルが周囲の個体の雌雄比率にしたがって性転換をする種であることが示される。これが発生時にメスのみを生み出すことで恐竜の個体数をコントロールしようとしたパークスタッフの意図に反して恐竜が自ら繁殖を始めてしまう理由となっており、続編のロスト・ワールドに繋がる伏線ともなっている。 また恐竜達は島から逃げ出した際の対応策として、遺伝子操作により必須アミノ酸であるリシンを体内で作ることができないようにされているため、人間が餌でリシンを与えない限りやがて死亡する仕組みとなっていた。しかし、最終盤ではリシンを多く含む豆類やニワトリの食害が本土で発生しており、恐竜が島から脱走したことを示唆して物語は終わる。続編『ロスト・ワールド -ジュラシック・パーク2-』では、草食恐竜はソルナ島でリシンを多く含む豆類を好んで食べることで補給していて、更にその草食恐竜を肉食恐竜が捕食することでリシン欠乏を防いでいたと語られている。
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