心理面のケア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 01:21 UTC 版)
上述のように引きこもりの原因が精神面にある場合、適切な治療・ケアを行い本人をサポートすることが大切である。個々の治療法については、「社交不安障害#治療」「パニック障害#治療」「広場恐怖症#治療」「広汎性発達障害#治療」「うつ病#治療」「統合失調症#治療」「強迫性障害#治療」「不安障害#治療」「身体表現性障害#診断」「適応障害#治療」「身体醜形障害#治療」「パーソナリティ障害#治療」「自律神経失調症#治療」「オープンダイアローグ」などを参照。 加えて、本人の存在自体の価値がまるごと認められる居場所づくりに向けた支援が必要である。 また、支援者は、否定をせず根拠や内実を伴った積極的な肯定をすることなどを通じて本人の存在自体をまるごと認め、自己愛の醸成をサポートする。その後、「すること」への意欲が高まり、本人が何かを遂行できたとき、一つ一つの達成を心に響く形で肯定・称賛し、自尊心の形成を支援する。 さらに、本人と支援者との「語り合い」を通じて、本人が納得でき生きやすく元気の出る「語り」を形成できるようサポートすることも重要である。 しかし、引きこもり状態にある青少年は、挫折感、失敗感、劣等感、うしろめたさ、これ以上傷つきたくないという恐怖心、引きこもりが続くことへの不安などを抱え込んでいる。したがって、周囲の大人が一方的に叱咤激励したり背中を押したりすると、彼らの不安や劣等感はつのる一方となり、火に油を注ぎ傷に塩を塗ることにもなりかねない。そして、「生きていても価値がない」「死んだ方がマシ」という状態に追い詰められてしまうこともある。また、どうにもならない自分を抱えあぐねている状況で、その絶望から逃れる試みとして自殺を引き起こす危険性が高まる。 引きこもった青少年の援助で必要なのは、まず周囲の大人が彼らの生きにくさを適切に理解し、安心感を提供することである。また、山中(1978)らが指摘するように、引きこもりをすぐにやめさせるのではなく、彼らのペースで解決の道を歩めるよう、待つ姿勢やともに考えていく姿勢が大切なのである。
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