引き継ぎの発端
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 22:27 UTC 版)
『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』収録直前に山田が脳出血で意識不明となったことから、ルパンに代役をたてる事態に直面する。その際、放送局から「代役には声優でなくタレントの起用を」と要請されたため、困ったアニメスタッフは最終的に、ものまねタレントの栗田へ白羽の矢を立てたという。 栗田は当初、山田が倒れた一報と同時に「ちょっと助けてもらえないか」と依頼が来たため、「一言二言の録り残しがあるのだろう」「誰にも気付かれずに一部パートならものまねタレントとしても名誉である」と思い受諾したが、いざ現場に入ってみたところ、実際には全く台詞が入っておらず、全編の収録を栗田がする事態となった。この事情を知り、「声優なんてやったこともないしできるわけがない」と依頼を断ったが、周りの状況や雰囲気などから最終的には承諾し、ルパンを演じることに決めた。 アフレコ当日については、共演者にあいさつもできないほど緊張しており、更に収録時はダメ出しも多く、そのせいか途中で台本の台詞が読めなくなったと語っている。しかし、1人にさせてもらい目を閉じた時、目の中に白いタキシードを着た山田が浮かび「クリカン、お前のルパンをやればいい」と励まされたという。一方で収録後、栗田は山田に報告に行きたかったが「会ってもショックを受けるだけだ」と思い行けなかったという。 一部では「山田本人が栗田を後継に任命した」といわれることがあるが、栗田本人はこれを否定している。ただし、山田は晩年のアフレコ時に冗談で「あとはクリカンにやらせろ」と言ったり、体調が悪い時期にリテイクを繰り返し疲れた際「クリカンがやったって同じなんだから、クリカンを呼べよ」と言っていたことはあったという。 『くたばれ!ノストラダムス』公開後、栗田の演技を評価する声や視聴者から応援の手紙が届くなど反響が大きかったことが決定打となり、栗田は正式な2代目ルパン役に就任することとなった。このことに関して、栗田は何度もオファーを断ったものの、別の仕事で大阪へ向かう新幹線に乗り込んでまで監督と日本テレビのプロデューサーが説得する熱意に折れたことで、引き受けることを決意したという。
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