店内の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 22:45 UTC 版)
7階プレイタウン店内の構成は、中央ホールが東西32メートル、南北17メートルの広さがあり、ホールの平面は台形のような形をしていた。ホールにはテーブル117個、ボックスシート141個、衝立37枚が置かれていた。ホール内の北側のF階段東隣には、扇形のバンド演奏用ステージが設置され、その前面と客席エリアの間がショースペースとなっていた。ステージ裏には、北東側の外窓に面したベニヤ板で間仕切りされた3室の小部屋(ボーイ控室、バンドマン控室、タレント控室)が設けられていた。またステージ西隣にF階段出入口が2ヵ所あり、一つはステージ西隣のホールに面したF階段直結部分に「電動防火シャッター」が設置されていた。もう一つのF階段出入口は、調理場配膳室の東隣に直結した場所に、両開きの防火扉で構成された鉄扉が設置されていた。F階段出入口の電動防火シャッターは常時閉鎖され、F階段防火扉も常時施錠されていた。 アーチ状のホール出入口(エントランス)はホールの南側にあり、ホール出入口(ホール内側)の西側にレジとトイレが、またレジの北隣にベニヤ板で間仕切りされた物置があった。この場所は、プレイタウンが6階で営業していたときに使用していたスロープ状の旧連絡通路部分で、火災発生当時は建設資材置場として利用されていた。ホール出入口正面(ホール外側)にクロークと電気室があり、クロークの奥にはカーテンで覆い隠された附室を備えた特別避難階段・B階段の出入口(単一の片開き鉄扉計2枚)があった。B階段を使用するためにクロークの中に入るには、クロークのカウンター西端の天板(高さ90センチに設置された幅50センチの板)を跳ね上げたあと、幅65センチの戸板を押し開く必要があった。クロークの東隣にエレベーターホールがあり、エレベーターホール南側(クロークの東隣)には「A南エレベーター」が設置されていた。A南エレベーター斜向かいのエレベーターホール東側奥に「A1エレベーター」が設置されていた。これら2基のエレベーターは、プレイタウン専用である。客と従業員は通常、2基の専用エレベーターを使ってプレイタウンに出入りしていた。A南エレベーターの東隣に防火扉(片開き鉄扉)を備えたA階段出入口があった。 ホールの西方に調理場(F階段の西隣)、空調機械室、事務所、宿直室、衣装室、ホステス更衣室などがあり、それらはいずれも北側の外窓に面しており、幅1.23メートルから1.8メートルの狭く入り組んだクランク状の廊下で各部屋が結ばれ、廊下の東端でホールに繋がっていた。事務所前の廊下には、3階から7階の各階を垂直に竪穴で繋ぐ空調ダクト(リターンダクト)の吸入口があり、ダクト内の3か所(4階の天井付近および6階と7階のスラブ付近)に防火ダンパーが備えつけられていた。プレイタウンの最も西側に位置しているホステス更衣室は、北側に面した外窓2か所のうちの1か所がロッカーで完全に塞がれており、窓を開閉することができない状態となっていた。プレイタウンのホールに面した各外窓は、酔客による転落防止や物品投下などを防止するため、安全上の観点から取っ手に針金を巻き付けたうえで内側に金網窓を填め込んで窓が開かないように二重の安全対策を施していた。それは救助袋が設置してある窓においても同様の状態となっていた。またホステス更衣室にはE階段に直結した出入口(両開き鉄扉)があった。
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