序を併せたりとは? わかりやすく解説

序を併せたり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 01:57 UTC 版)

古事記」の記事における「序を併せたり」の解説

撰者である太朝臣侶が天子奏上する形式倣った序文である。 序第1段 稽古照今(古を稽へて、今に照らす) ここでは『古事記』内容要点天地開闢から挙げ、さらに、それぞれの御代事跡異なるが政治について記載にはほぼ誤りはなかったと述べている。臣安侶言す。それ、混元既に凝りて、気象未だ效(あらは)れず。名もなく為も無し。誰れかその形を知らむ。 臣安侶言 夫混元既凝 氣象未效 無名無爲 誰知其形 …歩驟(ほしう)各異(おのおのこと)に、文質同じくあらずと雖も、古を稽(かむが)へて風猷を既に頽れたるに縄(ただ)し、今に照らして典教を絶えむとするに補はずといふことなし。 雖歩驟各異 文不同 不稽古以繩風猷於既頽 照今以補典敎於欲絶 序第2段 『古事記』撰録発端 ここでは、まず、天武天皇事跡厳かに述べた後、天武天皇稗田阿禮勅語して、『帝紀』『旧辞』を誦習させたが、結局文章残せなかった経緯記している。…ここに天皇天武)詔(の)りたまひしく「朕(われ)聞きたまへらく、『諸家もたらす帝紀および本辞、既に正実に違ひ、多く虚偽加ふ。』といへり。今の時に当たりて、其の失(あやまり)を改めずは、未だ幾年をも経ずしてその旨滅びなんとす。これすなはち、邦家経緯王化鴻基なり。故これ、帝紀撰録し、旧辞を討覈して、偽り削り実(まこと)を定めて後葉のちのち)に流(つた)へむと欲(おも)ふ。」とのりたまひき。時に舎人(とねり)ありき。姓(うぢ)は稗田(ひえだ)、名は阿禮(あれ)、年はこれ二十八。人と為り聡明にして、耳に度(わた)れば口に誦(よ)み、耳に拂(ふ)るれば心に勒(しる)しき。すなはち、阿禮勅語して帝皇日継(すめらみことのひつぎ)及び先代旧辞(さきつよのふること)を誦み習はしめたまひき。 於是天皇詔之 朕聞諸家之所齎 帝紀本辭 既違正實 多加虚僞 當今之時 不改其失 未經幾年 其旨欲滅 斯乃邦家經緯 王化鴻基焉 故惟撰録帝紀 討覈舊辭 削僞定實 欲流後葉 時有舍人稗田阿禮 年是廿八 爲人聰明 度目誦口 拂耳勒心 即勅語阿禮誦習帝皇日繼 及先代舊辭 序第3段 『古事記』の成立 ここでは、元明天皇の世となって、詔により安侶が稗田阿禮誦習撰録した経緯述べ最後に内容区分について記している。経緯では言葉文字置き換えるのに非常に苦労した旨が具体的に記されている。…ここに、旧辞誤りたがへるを惜しみ、先紀の謬り錯(まじ)れるを正さむとして、和銅四年九月十八をもちて、臣安麻呂に詔りして、稗田阿禮の誦む所の勅語旧辞撰録して献上せしむるといへれば、謹み詔旨(おほみこと)の随(まにま)に、子細に採りひろひぬ。然れども上古の時、言意(ことばこころ)並びに(すなほ)にして、文を敷き句を構ふること、字におきてすなはち難し。 於焉惜舊辭之誤忤 正先紀之謬錯和銅四年九月十八日 詔臣安撰録稗田阿禮所誦之勅語舊辭獻上者 謹隨詔旨 子細採摭然、上古時 言意並 敷文構句 於字即難 …大抵記す所は、天地開闢より始めて小治田(をはりだ)の御世に訖(をは)る。故、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)以下、日子波限建鵜草葺不合命(ひこなぎさたけうがやふきあへずのみこと)以前上巻となし、神倭伊波禮毘古天皇(かむやまといはれびこのすめらみこと)以下、品御世(ほむだのみよ)以前中巻となし、大雀皇帝(おほさぎのみかど)以下、小治田大宮(をはりだのおほみや)以前下巻となし、併せて三巻録して謹み献上る。臣安侶、誠惶誠恐頓首頓首。 大抵所記者 自天地開闢始 以訖于小治田御世天御中主神下 日子波限建鵜草葺不合尊以前上卷 神倭伊波禮毘古天皇以下 品陀御世以前 爲中卷 大雀皇帝以下 小治田大宮以前下卷 并録三卷 謹以獻上 臣安誠惶誠恐頓首頓首 和銅年正二十八日 正五位上勲五等朝臣

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