平成仮面ライダーの変身ガジェット
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「仮面ライダーシリーズにおける変身」の記事における「平成仮面ライダーの変身ガジェット」の解説
仮面ライダーが変身に用いるガジェットの在り方に関して、大きな飛躍を見せたのが平成ライダー第3作『仮面ライダー龍騎』である。本作品の重要なキーアイテムは「アドベントカード」であり、仮面ライダーたちはベルトのバックル部にカードデッキを装填して変身する。それに加えて、デッキから取り出したカードをバイザーに読み取らせることで必殺技を発動する設定であり、アイテムが変身だけに留まらず攻撃の起点ともなっていた。以降のシリーズ作品では、ベルト単体の力で変身するのではなく、ベルトにガジェットを直接挿し込んだり(「555」「剣」など)、ベルトにガジェットから情報を読み込ませて(「電王」「ウィザード」など)変身するスタイルが主流となっていく。 やがて平成シリーズが第2期に入ると、変身ガジェットは急激な進化を遂げていく。第2期第1作『仮面ライダーW』ではUSBメモリをモチーフとした「ガイアメモリ」がキーアイテムとして扱われ、これがコレクターズアイテムとしての変身ガジェットの流れを確立した。玩具としてのガイアメモリは、2008年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』のキーアイテム「炎神ソウル」を発展させた物である。炎神ソウルのギミックは武器やロボに装填することで複数の音声を再生するものだったが、ガイアメモリは音楽要素を強くしており、2本のメモリから再生されるイントロとサビがうまくつながってメロディを形成するようになっていた。だが、爆発的なヒット商品となったガイアメモリの成功要因のひとつは、立木文彦が担当した「サイクロン!」などの「声」の力であった。 『W』で実現した「変身ベルトにより2つのメロディラインを合わせる」ギミックを越えるため、第2期第2作『仮面ライダーオーズ/OOO』ではキーアイテム「オーメダル」をベルトに装填すると串田アキラによる歌が流れるようになった。歌の効果もあって、オーメダルは前年を上回る超ヒット商品となった。 『オーズ』以降、変身ベルトからは歌や音楽が流れるのが定番となった。だが過剰な「変身ソング」ギミックは、作劇上の違和感を生む要因ともなりかねない負の側面をも有している。番組制作側もそのことは承知しており、2014年の『仮面ライダードライブ』ではベルトの音声をシンプルにしてメロディ主体にしている。その一方、子どもたちの視点からはもはや歌なしの変身音が地味に映るのではないかという懸念もあり、二律背反となっている。
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