市場の拡大と責任
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/09 11:07 UTC 版)
「持続可能な開発のための経済人会議」の記事における「市場の拡大と責任」の解説
環境問題を思慮しない市場の拡大は、持続は不可能とする科学的根拠を持つ不確実性が次々示されていた。BCSD議長(兼、UNCED経済産業問題担当首席顧問)ステファン・シュミットハイニーは、報告書「チェンジング・コース」の中で、環境を考慮しない経済発展が破滅へ向かう進路から、持続可能な発展を目指した進路へ変更することを訴えている。環境マネジメントシステムの構築・運用を通じてチェンジング・コース、つまり、持続可能な循環型社会へと進路の変換を目指したものである。 無視できない環境危機に対して過剰に反応するのはことは危険である。しかし、標準から逸脱した悪化状況を無視したり、覆い隠すことは無責任と言える。BCSDでは、思慮深く、関連性をもった世界的傾向に目を向けて、環境と経済の調和となる道を模索した。 主に次のことが課題となった。 人口増加 急激な人口増加は、環境に被害を与える原因を悪化させる。 自然環境破壊 自然資源の消費が加速度的に増大しており、消費は非効率的であった。無計画な開発は、自然環境の再生に必要な時間が与えられていないため、自然資源の利息までも減少している。 人口増加と資源の無駄遣い 相乗効果的に悪化を招き、生産性の大きい地域では環境への打撃が著しい。農産物の生産増加に伴う土地劣化、森林の砂漠化、産業の発展による水質汚濁など。 生態系の劣化 自然環境悪化に伴う生物多様性と遺伝子情報の損失。環境変化の改善は可能だが、失われた生態系は取り戻すことが不可能である。 汚染 無計画な開発による資源の乱用は、大気汚染、水質汚染、土壌汚染を伴う。多くの汚染物質は残留性が強く、潜在的に増大している。最も複雑で潜在的に重要な問題は地球温暖化である。
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