市場の完備性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:16 UTC 版)
将来の状態が有限かつ離散的であると仮定した時、市場が完備(英: complete)であるとは1次独立な収益・損失をもたらす市場の金融資産の数が将来の状態数と等しい場合を言う。ここで言う1次独立とは、市場の金融資産のそれぞれの状態における収益・損失を並べてユークリッド空間上のベクトルと見なした場合の線形代数における1次独立性を指す。また数理ファイナンスの文脈において市場が完備であるとは、ある期日にペイオフが確定する派生証券を考えた時に、全てのそのような派生証券のペイオフが既存の金融資産の組み合わせによって複製可能である場合をいう。どちらの定義でもその意図するところは同じで、経済主体が考慮する将来のあらゆる不確実な資金変動を既存の金融資産についての取引戦略を立てることで(費用を無視すれば)複製できるということを意味している。市場の完備性は資産価格付けの第2基本定理と呼ばれる定理に関連付けられる。
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市場の完備性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 15:08 UTC 版)
金融市場が完備(英: complete)であるとは、市場に存在するあらゆる派生証券が既存の金融資産を用いて複製可能であることを指す。前述の通り、複製ポートフォリオが組成できなければ無裁定価格理論による価格導出は行えない。そのため、金融市場が完備であるということは、無裁定価格理論を派生証券に用いることが出来るための十分条件の一つである。
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