左近太郎雪辻能
左近太郎雪辻能(さこんたろうゆきつじのう。歌舞伎)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 13:57 UTC 版)
「芦屋道満大内鑑」の記事における「左近太郎雪辻能(さこんたろうゆきつじのう。歌舞伎)」の解説
慶応元年(1865年)10月、江戸市村座初演の書替狂言。2幕3場構成。作者は河竹黙阿弥。単独の演目ではなく、『芦屋道満大内鑑』の増補の体裁をとり、演目としての外題も『芦屋道満大内鑑』とされた。番付を見る限り、上演では保名内の場の前に挿入される形をとったものと推定される。内容は原作と整合性がなく、現代風にいうならパラレルワールドものとなっている。プロットを一言で表すなら「芦屋道満のいない『芦屋道満大内鑑』」。六の君の誘拐・殺害への加担を道満が当初から拒絶した世界の話であり、原作の道満サイドのパート(2段目の前半とそこからつながる3段目全部)を置換する形をとる。左近太郎は誘拐された六の君を奪還し、花町の実家に匿うが、取り戻そうとした岩倉治郎太夫は花町の父である鼓師畑作を拉致し、無事返して欲しければ六の君の首級を差し出すよう要求する。この苦境を脱するために、当作品オリジナルキャラクターである楓(花町の妹)・柏木衛門之助(左近太郎の弟)の恋人同士が自らを犠牲とする。道満抜きの話であるため、原作由来の人物(多くが原作における脇役陣)の設定が原作とは大きく異なる。
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