左横書き化の始まり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 22:20 UTC 版)
「公用文作成の要領」の記事における「左横書き化の始まり」の解説
本格的に横書き化の動きが始まったのは、1949年(昭和24年)4月5日内閣閣甲第104号「公用文作成の基準について」の中で、「一定の猶予期間を定めて,なるべく広い範囲にわたって左横書きとする。」と定められたのが始まりであり、1949年(昭和24年)9月1日に文部省が実施した のを皮切りに、一部の省庁では省庁ごとに期日を定めて文書を横書きに移行してきた。本通達でも「第3 書き方について」の「1」において上記の通達と同様に定められている。公用文の横書き化は公文書改革の中でも特に重要視された点の一つであり、本通達の中で定められているだけでなく本通達のもとになった「公用文改善の趣旨徹底について」とともに、1951年(昭和26年)10月25日に「公用文の横書きについて」が国語審議会総会で決議され、同30日に「公用文の左横書きについて」として内閣総理大臣に対して建議され、11月1日に次官会議了解、11月2日に閣議供覧となっている(p. 29)。この「公用文の左横書きについて」においては、1951年(昭和26年)5月時点での官庁・地方公共団体・民間諸団体等を対象にした文書の左横書き化の実施状況の調査を行い、それによって得られた すでに全面的に実施している 18.0パーセント 一部実施している 39.6パーセント 全然実施を考慮していない 14.5パーセント という調査結果について、横書き化を実施するまでの猶予の期間をせいぜい数か月から1年以内の「縦書き用に印刷されていた用紙を使い切るまで」程度に想定していた立場から、「横書き化の実施状況は満足できるものではない」と述べて公用文の左横書き化を一層推進するように定めている。またこの時期文部省では様々な機会を捉えて日本語の横書き化のメリットを訴えている。これらの文書には、左横書きの利点として以下のような点があげられているものの、このような理由が客観的に成立しているとは言い難いとする見方もある。 書きやすい。 書いた後をこすらないですむ。 書き終わった部分が見える。 数字・ローマ字の書き方と一致する。 用紙の節約になる。 綴りこみを統一することができる。 書類を参照するときめくりやすい。 必要な書類を検出しやすい。 読みやすい。 この後も、1964年(昭和39年)9月の臨時行政調査会答申「事務運営の改善に関する意見」、1965年(昭和40年)5月7日閣議決定「行政事務運営の改善について」、1972年(昭和47年)8月26日付け各省庁官房長宛行政管理局長通知、1972年(昭和47年)8月29日の閣議における行政管理局長の発言等において、くり返し「公文書の左横書きを促進するよう」との指示が発出されている。
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