巣守物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/09/03 10:27 UTC 版)
「鶴見大学蔵本古系図」など、古い時代の源氏物語系図の中には、「蛍兵部卿」(これは光源氏の弟で「蛍兵部卿宮」、「蛍宮」などとも呼ばれる現行の源氏物語の本文にも存在する人物である)の孫として、現在一般に流布している源氏物語の本文の中には見られない「巣守三位」なる人物とその事績が記載されているものがある。それらによると、「巣守三位」とは、匂宮と薫の二人からともに求愛されるという現行流布本での浮舟を思わせるような存在である。(但し巣守三位は薫と結ばれて男子をもうけたあとで隠棲生活に入ったとされており、この点は現行の源氏物語の浮舟と大きく異なっている。)またこれらの「巣守三位」についての記述は現行の源氏物語54帖の中には無い「すもりの巻」なる巻が存在し、その中に描かれているとされている。また、「源氏物語小鏡」などの一部の古注釈にも「すもりの巻」や「巣守三位」にふれているものが存在する。この巣守物語については、宇治十帖を踏まえた後人の補作であるという説と、本編と同じ作者により光源氏死後の物語として「すもりの巻」を含む巣守物語が一度書かれたが、何らかの理由で破棄され、その後改めて浮舟を中心とした現在の宇治十帖が書かれたのではないかとする説が存在する。
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巣守物語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/05 21:11 UTC 版)
巣守に関して個々に存在する資料は短く断片的なものであるが、それらが伝える情報は大筋で一致していると考えられるため、これらをつなぎ合わせ、組み合わせることにより、かなりのところまで元々あったと考えられる内容を推測することが可能である。そのようにして出来上がった巣守に関する一連の物語を総称して「巣守物語」と呼ぶ。
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