巣守物語と宇治十帖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/05 21:11 UTC 版)
巣守物語と宇治十帖は判明している部分だけでも、 源氏物語正編に繋がる設定の元での作品であること。 年立的には光源氏が死去した後の物語であること。 薫と匂宮が恋愛で相争う物語であること。 薫と匂宮が恋愛で相争う対象が姉妹であること。 薫と匂宮が恋愛で相争う対象が血統的には皇族に近いがさまざまな理由で政治的な権力からは遠ざかってしまった家の娘であること。 娘が話の終わりの方では世をはかなんで出家してしまうこと。 などいくつもの点で宇治十帖と非常に似た構造をもっていることが分かる。その一方で、 宇治十帖では匂宮が浮舟と(一応)結ばれるのに対して巣守物語では薫が巣守三位と結ばれて子をもうけるというように、薫と匂宮の役割が巣守物語と宇治十帖とでは丁度逆になっていること。 浮舟が匂宮と結ばれる前に出家しているのに対して巣守は薫と結ばれて子をもうけた後に出家していること。 巣守物語では最初から最後まで二人姉妹の物語として描かれているのに対して、宇治十帖では当初二人姉妹として描かれていたのが大君の死後代わって突如浮舟が登場するなどより複雑な構造を持っていると見られること。 男性側についてみると、宇治十帖では一貫して匂宮と薫の二人だけが登場しているのに対して、巣守物語では匂宮と薫のほかに今上帝の二宮も登場していること。 など両者の間には小さくはない違いも存在している。
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