巡航戦車Mk.IVとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 巡航戦車Mk.IVの意味・解説 

巡航戦車 Mk.IV

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/25 22:46 UTC 版)

巡航戦車 Mk.IV(A13 Mk.II)
性能諸元
全長 6.02 m[1]
全幅 2.54 m
全高 2.59 m
重量 15.0 t[1]
懸架方式 クリスティー式、コイルスプリング
速度 48 km/h[1]
行動距離 145 km[1]
主砲 QF 2ポンド砲(40mm)×1[1]
副武装 .303 ヴィッカース機関銃×1[1]
装甲 6-30mm[1]
エンジン ナッフィールド「リバティ」V12 ガソリン
340 馬力[1]
乗員 4 名[1]
テンプレートを表示

巡航戦車 Mk.IV(A13 Mk.II)Tank, Cruiser Mk.IV(A13 Mk.II))は、第二次世界大戦中にイギリス陸軍が使用した巡航戦車である。

巡航戦車 Mk.IIIに増加装甲を施した小改良型で、大戦直前に665両が生産され、主に大戦初期に使用された。

開発と生産

1936年から1937年にかけ、イギリスは、アメリカクリスティー式戦車を元にした巡航戦車 Mk.III(A13)を開発、採用したが、Mk.III は最大装甲厚が14mmと、甚だ軽装甲であった。

Mk.IIIの量産が開始されて早々の1939年初め、巡航戦車の最大装甲厚を30mmまで高める訓令が出された。A13試作車を使って試験を行った結果、主要部の装甲増加は速度性能にさほどの影響が出ないことが確認され、この増加装甲型A13 Mk.IIが巡航戦車Mk.IVとして採用された。装甲が強化されたのは主に砲塔部で、特に側・後面は中空方式(スペースド・アーマー)の傾斜した増加装甲が装着された[1]。このため見かけ上、砲塔は大型化されたが、基本形状は同一である。カタログデータ上、最高速度等に変化はないが、重量増加の分、機動性は若干低下したものと見られる。

巡航戦車 Mk.IVの開発・採用は、Mk.III量産開始の直後であったため、Mk.IIIは65両と比較的少数生産に終わり、1939年中にはMk.IVの生産が開始され、665両が作られた。また、Mk.IIIの一部はMk.IV仕様に改修された。

砲塔の同軸機銃は当初はMk.IIIと同じビッカース.303だったが、後にベサ機銃に換えられた[1]。ベサ機銃搭載型は巡航戦車 Mk.IV Aと呼ばれる。2ポンド砲の替わりに3.7インチ榴弾砲を搭載した近接支援型、巡航戦車 Mk.IV CSも少数製作された。また、Mk.IV、Mk.IVAともに、砲塔防盾部にも増加装甲カバーが装着されたものもある。

戦歴

巡航戦車 Mk.IV は、巡航戦車 Mk.I~IIIとともにフランスへ送られたイギリス海外派遣軍の第一機甲師団に配備されて、1940年、初陣を迎えた。残存車両は、その後、北アフリカ戦線でも初期に主力の一角として使用された。

登場作品

ゲーム

War Thunder
イギリス軽戦車として登場。また、1939年仕様も登場。
World of Tanks
イギリス軽戦車Cruiser Mk. IVとして登場。
パンツァーフロント Ausf.B
戦車として登場。
『total tank simulator』
イギリスの改軽戦車MK.IVとして登場。

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k 上田 1997, p. 72.

参考文献

  • 上田信『戦車メカニズム図鑑』グランプリ出版、1997年3月25日。ISBN 4-87687-179-5 
  • 大村晴、「第2次大戦のイギリス軍用車両」、グランドパワー1995年11月号、デルタ出版
  • 宗像和広(主著)、「第二次世界大戦のイギリス・アメリカ軍戦車」、戦車マガジン1992年7月号別冊、デルタ出版

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「巡航戦車Mk.IV」の関連用語

巡航戦車Mk.IVのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



巡航戦車Mk.IVのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの巡航戦車 Mk.IV (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS