山陽電気鉄道との直通運転
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 06:27 UTC 版)
「阪急神戸本線」の記事における「山陽電気鉄道との直通運転」の解説
1968年の神戸高速鉄道東西線開業後は、阪急の列車は山陽電気鉄道の須磨浦公園駅まで、山陽の列車は六甲駅まで、それぞれ乗り入れて相互直通運転を行っていた(乗り入れ先では各駅停車)が、1998年2月に山陽姫路駅 - 阪神電鉄梅田駅間で直通特急の運転を開始したのに合わせて、阪急の山陽電鉄への乗り入れが中止された。 直通運転開始以来、阪急側からの列車は、ごく一部の例外を除き、終日、特急が直通していた。ただし山陽電鉄線への乗り入れは、ホーム有効長の制約などから、6両編成に限定されていた(直通運転開始前の特急は7両が標準)。 後の8両編成化においても、山陽直通特急は6両の制約が付き纏った。このため、輸送力が必要な平日朝夕時間帯の列車については、1970年(昭和45年)12月改正以降、三宮駅での増結・解放が行われるようになった。 山陽電鉄側からは、昼間の場合、1時間に2本が六甲駅まで直通した(阪神側も同様に1時間当たり2本が大石駅まで直通した)。山陽電鉄側からも原則として特急が乗り入れたが(阪急線内は各駅に停車)、普通が乗り入れることもあった。運転上は御影駅構内(神戸三宮方)の引き上げ線で折り返していた。 特急の慢性的な輸送力不足に対応するため、1984年(昭和59年)3月25日改正より、休日の山陽直通列車はすべて普通となり、特急は全列車が新開地駅・高速神戸駅発着となり8両編成化された(高速神戸駅発着の特急は阪神電鉄の車両が新開地の折り返しホームを使用するための処置であった)。1987年(昭和62年)12月13日改正からは、平日昼間(主に9時から15時)の山陽直通列車もすべて普通となり、同時間帯の特急は新開地駅・高速神戸駅発着の8両編成に統一され、輸送力の増強が行われた。その一方で、すべての須磨浦公園駅発着の特急が、三宮駅での増結・解放の対象になったわけではなく、最も利用客が多い平日朝夕に、須磨浦公園駅発着の特急が6両で運転されるような事態も発生した。当時の時刻表では、(特急以外も含めて)6両編成で運転する列車には『★』印が付けられていた。 1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で、一部区間が不通となったため、山陽電鉄線への直通は中止された。同年8月より山陽電鉄線への直通が再開されたが、平日の終日、土休日の梅田駅(当時)発の15時まで(15時以降は普通のみ)は特急が直通するようになり、須磨浦公園駅・東須磨駅発着の特急は6両編成で運転されるようになり(一部は三宮駅で増結・解放を行った)、1998年(平成10年)の直通運転中止まで続けられた。 現在では直通運転は行われていないが、臨時列車などの運転に対応するため、その後も乗り入れ免許はそのまま維持された。 この直通運転に見られる、他社線乗り入れによって自社の輸送力に制約が発生する問題は、阪神なんば線直通運転開始後の近鉄奈良線など双方の編成規模に差異がある組み合わせで見られるネックである。
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