対象となる気象観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 07:40 UTC 版)
気象業務法は、検定に合格した気象測器を使用しなければならない気象観測として、以下のものを定めている。これらを検定に合格していない気象測器を用いて観測を行った場合、50万円以下の罰金刑に処せられる。 政府機関(気象庁を除く)・地方公共団体が行う全ての気象観測。ただし以下のものを除く。研究のために行う気象観測 教育のために行う気象観測 環境測定に属するもの、臨時的なものなどの特殊な気象観測 政府機関・地方公共団体以外の者が行う以下の気象観測観測成果を発表するための気象観測 防災のための気象観測 気象庁への気象観測通報を行う義務を負う船舶における気象観測 民間気象会社(予報業務許可事業者)が予報業務のために行う気象観測 地方公共団体や一部民間企業の保有する観測施設の中には、運用にあたって気象庁による指導や点検を受けているものがあるが、このことを以て気象測器検定の受検が免除されることはない。 学校の課外活動などで観測した結果をウェブサイトに掲載する行為は、観測値が観測者の自己責任を超えたところで利用される可能性があることから、外観としては「発表」に該当してしまうが、現在の取扱いでは「教育」の範疇に収まるものとして、規制の適用外となっている。 「防災」には、洪水や列車の転覆のような気象現象が直接引き起こす災害に対するものだけでなく、火災の延焼のような他の災害の推移に関与する気象状況の監視、飛行場や橋梁の立地調査などを通じた将来的な災害の予防もこれに含まれる。 「予報業務のために行う」とは、一般的にはデータ同化などによって日々の予報の作成に用いられる観測値を収集することだと解されている。 なお、教育を主目的としない組織が不特定多数の者を組織して観測を実施する場合や、民間気象会社が新しい予報技術の検証のためにデータを収集する場合などについては、評価基準が必ずしも公知されてはおらず、当該観測を代替・補完しうる気象庁の観測網の存否や当該実施主体の行う他の事業とのバランスといった情状によって法的評価が変わりうる部分が留保されている。 当然ながら、気象測器を使わずに行うことができる観測(天気の判別、風力階級表を用いた風の観測、波浪の観測など)は、気象測器検定制度の関知するところではない。
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